うーん、アメリカンドリーム。
エネルギー転換期の現在はアメリカンドリームを実現しやすい時期なのかもしれませんね。自動車のエンジンというのはきわめて難しいもので、蓄積がないと作れないものなんですが、電気自動車ならそうでもない。新規参入した企業が現在ある技術から出発しても実現できるものだったのかもしれません。
2003年に設立されたアメリカの電気自動車メーカーであるテスラモーターズは、昨年2万2000台を生産しましたが、今年は3万5000台に達しそうなペースだそうです。そして2015年にはさらに50%増産することになるとか。そこで、カリフォルニア州フリーモントにあるファクトリーの生産能力を上げるために、一時的に自動車の生産を停止して、工場を刷新。生産能力の増強を図りました。
行ったことは、組み立てラインのアップグレード、車体工場の容量アップ、パワートレインの組み立て強化。そして従業員のための施設の改良といったところです。また今回の大きな刷新のほかにも、設備は日々アップグレードされているようです。
今回、もっとも大きく変わったのは組立ラインだそうです。頭上にあった鉄や機械構造を撤去し、より小さなスペースで、車をまるごと持ち上げて最高精度で操作できる先端ロボットが動き易いようにしました。ユニークなのは、それらのロボットにはそれぞれX-menの登場人物の名前がつけられているそうです。
もうひとつユニークなのは、社員のやる気を出す環境づくりのアプローチです。灰色だった壁と床を明るい白に塗り替えたり、柱の数本につる植物を巻きつけたりしましたが、生産工程のイラストを漫画家に描いてもらって、ガラスの壁に写したり、工場のこれまでの54年間の歴史を振り返る写真の展示も設けたそうです。
そう、この工場はテスラが入る前、GMとトヨタによる合弁会社が入っていたそうです。工場の歴史はさらにその20年前GMが建てたときにまでさかのぼるそうです。
テスラモーターズももはや立派な自動車メーカーになりました。それでも工場の雰囲気には、なんとなくベンチャー企業らしいフレッシュさが感じられるのがいいですね。
工場刷新のタイムラプスが見られる動画もどうぞ。
Tesla Factory Upgrade from Tesla Motors on Vimeo.
動画が観られないかたは、こちらをクリック→https://clicccar.com/2014/11/19/278840/
(まめ蔵)