さて、ファブリックのシートに座り、標準装備されている10wayパワーシートでポジションを合わせ、ステアリング右奥のプッシュボタンを押してエンジンを始動します。
そしてスルスルと走りだした第一印象は……、静かだ! というものでした。
これまでのレガシィではエンジンやトランスミッション由来のノイズが気になるシチュエーションでも、かなりノイズの消されたキャビン空間となっています。
ただし、アクセルを踏み込むと心地よいエンジンサウンドが聞こえてきますから、単純に消音したという話でもなさそうです。
開発したエンジニア氏に伺うと「いろいろなノイズを消していくと、どこかで一定の周波数だけが耳につくことがあります。そこで、一定のノイズが生まれないように考慮しています」。
パワートレイン由来のノイズは、エンジンとトランスミッションそれぞれから生まれるものですが、新型レガシィではそれぞれの担当者が協力してノイズを減らす(ドライバーが気にならない)ように工夫したということです。
たとえばエンジンでいえば、4-2-1の新レイアウト・エキゾーストマニホールドにしているのは、排気振動を低減するなど静粛性にも貢献しているといいます。
また、トランスミッションでいえば、アクセルを大きく踏み込んだときには、エンジン回転を一定にせず、ステップATのように変速させるのも、ノイズをサウンドに変えたポイントといえそうです。
その一方でパワートレイン全体においては、スバルらしい味付けは、かなり薄まっているようにも感じます。長年のスバルファン向けにレヴォーグ(ワゴン)やWRX S4(セダン)という新モデルをラインナップに加えたことで、新しいフラットなテイストが可能になったという見方もできそうです。