1990年に777万台を記録した日本国内の自動車販売ですが、たとえば日産が発表した2014年4〜9月期の連結決算では前年同期比の25%増と好調で、国内では増税の影響で伸びずとも海外で生産して海外で儲ける、という構図がどのメーカーでも多かれ少なかれできつつあります。
2014年4〜9月の新車販売台数は、スズキは好調でしたが、トヨタやホンダ、日産などは前年同期比で大幅にマイナスになり、このままでいくと500万台割れは確実でしょう。
一部報道によると、日本自動車工業会では消費税が10%に引き上げられると国内新車販売はさらに約1割減るという試算もしているようです。
消費税が10%に上がった場合は、その見返りとして自動車取得税を廃止することを打ち出しているものの、いまや大半の新車が「エコカー減税」により免税もしくは減税対象車になっていますから恩恵はほとんどなし。
しかも、環境性能(排気量や燃費)に応じた環境性能に応じた課税である「環境性能課税」を総務省が検討していて、これは自工会が反対するように新たな課税になりかねませんから、消費税10%に加えて環境性能課税となると、自動車の国内販売のさらなる低迷、そして国内生産から海外生産へのシフトが加速する可能性もあります。
各自動車メーカーは魅力的な新車を投入するなどの打開策を打ち出していますが、こうした新車効果も今後はより限定的になるかもしれません。
その裾野の大きさから日本の基幹産業であったはずの自動車。日本で新車が売れなくなる影響を国にもう少し考えて欲しいところです。
(塚田勝弘)