大きさと重さを感じさせない驚きのフットワーク【BMW X4試乗記02】

ベースのX3よりも15mm長い全長はデザインの違いで、全幅とホイールベースは同値ですが、全高は50mmも低くなっています。

全高を抑えたぶん、重心が低くなり、ヒップポイントも30mmほど下げられていますから、ドライビングポジションはSUVとしては低めながらも、周囲のセダンなどを見下ろす高さは確保されています。

BMW X4_070走りでは、「100:0」から「0:100」まで駆動力配分を行うxDriveと連動し、コーナリング時のハンドリングと安定性を向上させる「パフォーマンス・コントロール」を全車に標準で搭載するのが見どころ。

X3は上級仕様にのみ標準の「パフォーマンス・コントロール」は、コーナー走行時にアンダーステアが出そうになると、内側の後輪に軽くブレーキを掛けつつ、外輪に多くのトルクを配分する、いわゆる「トルクベクタリング」です。

BMW X4_003さらに、ステアリング操作に対して前輪の切れ角を最適化する「バリアブル・スポーツ・ステアリング」も標準。

両装備による効果なのか、単独なのかコーナーごとでの作動性や違いは察知できず、コーナーの大小や速度域に関わらず、ボディサイズと車両重量を感じさせないフットワークは驚きそのもの。

BMW X4_091しかも「バリアブル・スポーツ・ステアリング」は、出はじめの頃の「アクティブ・ステアリング」のような、低速時での違和感もほとんど感じられません。

試乗した「xDrive35i」の3.0Lエンジンは、全域に渡って不足はないどころか、日本の公道では使い切ることは不可能でしょう。しかもやはり直6はいいな! と思わせる滑らかな加速フィールまで味わえますからこれは贅沢。

そして、現在のベストなATのひとつといえる、8速スポーツATの組み合わせによる洗練された走り。背の高さと高めの視界が不思議に思える、俊敏ぶりです。

■SUV離れしたBMW X4の豪快な走りっぷり【BMW X4 試乗記01】
https://clicccar.com/2014/09/05/267333/

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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