それに比べると、第4戦で準優勝した日比野選手は現行86、第5戦で準優勝した高橋選手はマークX。いずれもドリフト車両としては実績のない現行モデルをD1マシンに仕上げているわけです。これはけっして簡単な作業ではありません。
つまり、ベテラン選手は少なからずD1の発展を考えて、難しいことは承知のうえで現行車種を投入しているのです。メーカーや一般のお客さんにアピールできるようにです。新興ドライバーの台頭は喜ぶべきことですが、まだ同じ土俵で戦っているとはいえないでしょう。
この第4戦、第5戦の2連戦は、旧車に乗る若手ドライバーが、現行車に乗るベテランドライバーを破る結果になりましたが、シリーズ争いではマークXを駆るベテランの高橋選手が独走。最終戦のお台場では、よっぽどのことがなければシリーズチャンピオンが獲得できる状況まで来ました。
高橋選手がタイトルを獲得すれば、2006年にインプレッサでシリーズ優勝した熊久保選手以来8年ぶりの現行車のチャンピオンとなります。これもまた快挙だといえるでしょう。
(まめ蔵)