例として上げたGLAクラスは、全長約4.4m×全幅約1.8m×全高1.5m未満というディメンションで、価格はGLA180の344万円から上限は「GLA45 AMG 4MATIC」がある分跳ね上がりますが730万2000円。
レクサスNXは、全長約4.6m×全幅約1.85m×全高約1.64mで、価格は428万円〜582万円ですからメルセデスで比較するならGLKクラスの方が近くなります。
しかし、商品企画どおりユーザーが購入候補を挙げるとは限らないのが、クルマ選びの難しさであり面白さで、アウディのSUVで最もコンパクトなQ3は、全長約4.38m×全幅1.83m×全高約1.6m。
価格は446万円〜「RS Q3」を含めると718万円という幅でしたから、レクサスNXとアウディQ3を比較する人もいるかもしれません(全長で比べればQ5の方がレクサスNXに近い)。
近年、「アウディ」はブランド力を着実に向上し価格も当然ながら高いワケで、世界的にも利益率の高さからポルシェとともにVWグループ内での貢献度も高くなっています。
そうはいっても、これだけ「プレミアムコンパクトSUV」を標榜するモデルが多くなると、サイズや車格、価格の微妙な差、つまりメーカーやインポーターが意識するクラスを超えた競争が展開されると予想できるのは先述のとおり。
アウディがプレミアムコンパクトSUVを謳うQ3に、1.4L TFSIを積むFFモデルを追加したのも現在の状況下なら十分に納得です。
VWティグアンも追加という形で、2012年に1.4L TSIエンジンを積んだFFモデルが投入されていますが、アウディのSUV、「Qシリーズ」では初のFFとなる「Audi Q3 1.4 TFSI」は、150ps/250Nmを発生する1.4 TFSIエンジンに6速Sトロニックトランスミッションを組み合わせています。
なお、ティグアンのFFモデルは、160ps/240Nmで、最高出力はティグアン、最大トルクはQ3が少し上。
しかし、燃費は6速DSGを搭載するティグアンのFFが14.6km/Lなのに対し、Q3 1.4 TFSIは3km/L近く上回る17.4km/Lに到達し、同セグメントでトップクラスの燃費を達成しているのは新しいモデルの強みでしょう。
もちろん、アウディらしい質感の高さやバイキセノンヘッドライト、アルミニウムルーフレール、リヤサイドエアバッグ、アドバンストキーシステム、17インチ 5アームトライアスデザインアルミホイールを標準化するなど、装備も充実。
さらに、「MMI 3G」をはじめ、シートにファインナッパレザーを用いたレザーパッケージ、アウディサイドアシストやアクティブレーンアシストなど最新の安全装備がセット になった「アシスタンスパッケージ」、パノラマガラスサンルーフやオートマチックテールゲートなど人気の装備もオプションで用意されています。
「Audi Q3 1.4 TFSI」の価格は390万円で、ティグアンの358万円〜473万7000円、GLAクラスやBMW X1の377万円〜468万円などと比べても競争力の高さは十分に感じられます。
■アウディQ3の一部仕様変更でよりハイセンスなSUVに
https://clicccar.com/2013/08/21/228445/
■アウディQ3に試乗して、気になる燃費を計測してみました
https://clicccar.com/2012/07/20/179840/
■SUVもダウンサイジング? アウディQ3はコンパクトでプレミアムなSUV【アウディQ3】
https://clicccar.com/2012/05/08/149027/
(塚田勝弘)