そんな隠しモードがあったとは!なんのことかと言えば、レヴォーグの2.0LモデルのCVTに関して。
レヴォーグのトランスミッションは全車CVTで、2.0Lモデルに関してはSIドライブを「S#」モードにすると変速比を固定した8段変速、いわゆる「段付き」になり、エンジンの回転上昇と速度上昇がリンクしたファンなフィーリングになるのはみなさんご存知だと思います。
ところが、この「段付き」は加速性能に対してはプラスではないんです。
実は同じエンジンパワー/トルクであればもっとも速い加速を引き出せるトランスミッションはCVT。パワーを生かせるもっとも効率のいい変速比に制御して加速していくからです。
せっかくのスポーティな走りを楽しめる「S#」なのに、フィーリング重視の「段付き制御」としたから最速の加速を実現できない。フィーリング優先なので仕方のない部分ではあるのですが、なんだかちょっとモヤモヤした気分になるその気持ち、わかりますわかります。
っていうか、そのジレンマをいちばん感じているのは何を隠そうスバルの技術者自身。「せっかくの高性能なのにS#でゼロヨン加速が遅くなってしまうのは納得できない」と思うのも当然です。
そこで開発陣は考え決断ました。
「最大限の加速をする裏モードを入れておこう!」と。
このモードに入れると、「S#」でも段付きにならず無段階変速ならではの継ぎ目のない変速制御となり、もっとも速い加速をするんです。もちろん、あなたのレヴォーグ2.0GTや2.0GT-Sにも入っているんですよ。この「ゼロ発進の加速タイムを計測するときやゼロヨンをするときに使うモード」(関係者談)が。
そのモードに入れるにはどうしたらいいのか? 取扱説明書を隅から隅まで読んだけど書いてなかった?
そうなんです、裏モードなので専用のスイッチなどはありません。運よくこの記事を読んだあなただけが、使うことができるんです。
……もったいぶらずに書きましょう。そのモードに入れる方法は、「S#」に入れて停止状態でブレーキとアクセルを同時に踏み込むこと。その状態からブレーキを離せば、「S#」でも段付きにならずレヴォーグ最速のロケットスタートが決められるのです。
レヴォーグでもっとも速い加速を味わえるこの裏技。ゼロヨンのタイム計測は普通の人には関係ないかもしれませんが、もし敵に追われたりして最速の加速をしたい状況(!?)になったら思い出してくださいね。
(工藤貴宏)