今回注目の1.5リッターのディーゼルエンジンは、77kWのパワーは控えめですが、トルクは250Nm! これはガソリンエンジンでいえば2.5リッタークラスのトルクで、新型デミオの1.3リッターガソリンの2倍以上なのです。その大きなトルクを使って、小さなデミオを走らせるのですから、ドライバーは余裕のあるドライブを楽しむことができます。
兄貴分の2.2リッターディーゼルと比較すると、より高回転まで回るようになりました。1500rpmといった低回転域ではさすがに排気量が小さいので不利ですが、しかし特筆すべきなのは静粛性の高さです。窓を開けていても不快なほどにエンジンノイズは高まらず、アクセルを踏んだ瞬間に出やすいディーゼル特有のガラガラという音もほとんど出ません。
そろそろ登場するはずの新型ロードスターに積まれることはないでしょうが、このディーゼルならオープンカーでも問題ないでしょう。それほどまでに、進化しているのです。2.2リッターを凝縮して、さらに洗練させたエンジンといえるでしょう。
カタログ燃費はまだ非公開ですが、あえて予想するなら1.3リッターガソリンで26km/L前後、1.5リッターディーゼルで30km/Lオーバーで、その6速MTでは33km/Lくらいでしょう。それはちょうどフィットの1.3リッターと、ハイブリッドの燃費に対応するものです。クルマとしてはライバルではないのですが、性能としては負けられないということなのです。
そして価格もまた、1.3リッターガソリンがフィットの1.3リッター、1.5リッターディーゼルがフィットハイブリッドと同等になるハズです。
ダウンサイジングを考えている人、しっかりとした走りを求めている人、小さな高級車を待っていた人、そしてボクのように小さなクルマが大好きな人にとって、注目すべき存在となることでしょう。ただし、大変残念なことに、新型デミオの発売には少し時間が必要のようで、今年の秋以降が予定されています。
(文:岡村 神弥/Movie&Photo:前田惠介)
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