クルマをぶった斬る! 歴代ショーモデル驚きの展示方法とは!?

先日、60年代の驚きの車両運搬法を紹介したところ、2枚の白黒写真に沢山の「いいね」を頂きました。そこであらためて当時の様子を調べたところ、東京モーターショーで、クルマの分解ディスプレイが盛んに行われていたことがわかりました。

一番最初にメカとボディを分離したモデルは、1957年第4回東京モーターショーのプリンススカイライン。そしてその後は分解ディスプレイがエスカレートして、一時期はモーターショーの名物になったそうです。そこでここでは、当時の「ぶった斬りモデル」のスゴ技ぶりを紹介したいと思います。

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■「ボディのぶった斬り」編

マイカー元年と呼ばれた1966年の第13回東京モーターショーで、トヨタはカローラの分解モデルを展示しました。ディスプレイでは、ボディを縦にぶった斬って、パカッと2分割。更にパワートレーンを床下収納したりして、パッケージとメカニズムをわかりやすく紹介していたのです。

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1968年第15回の東京モーターショーでは、日産ローレルがボディを大きく4分割して登場。これは、エンジン・サスペンション・インパネなどを見やすくするための工夫で、観客が食い入るように見学している様子が伺えます。

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■「クルマ丸ごとのぶった斬り」編

同じく第15回に展示されたのが、三菱コルト1500セダン。凄いのはぶった斬ったのが、ボディだけでないところ。エンジンまで含めて、クルマ丸ごとぶった斬って展示されていました。思わず、「今宵の斬鉄剣は一味違うぞ!」とつぶやいてしまいましたヨ。

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1970年第17回の東京モーターショーでは、日産初のFF「チェリー」がぶった斬りモデルで登場しました。FFの特徴を説明するために、なんと車両を4つに輪切り! FFならではの室内の広さを訴求していました。でもこうして遠目で見ると、フロントシートが宙に浮いていたりして、なかなかすごい光景ですよネ。

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■極めつけは「ぶった斬り・三枚おろし」

分解ディスプレイの極めつけが、こちら1968年第15回に展示されたスバル1000でしょう。何しろディスプレイを展開すると、クルマを三枚におろした立体構造になるのです。縦と横の次には、水平にぶった斬るという発想の柔軟さと創意工夫が、本当に素晴らしいと思います。

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それぞれ工夫を凝らした「ぶった斬りモデル」に共通するのは、「メカとパッケージをわかりやすく伝えたい」という造り手の熱意だと思います。今から見るとコテコテのアナログ手法ですが、昭和らしい人間っぽさや親しみやすさを感じた次第です。

■三菱ミニカのありえない運搬方法とは!?
https://clicccar.com/2014/05/30/257060/

(拓波幸としひろ)

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