今年10月から発売を開始する日産「e-NV200」が発表されました。リーフに続くEV第二弾で、商用EVは同社初。バンと乗用のワゴンを設定し、バンの定員はルートバン、2名、5名の3タイプで、ワゴンは5人乗りのほかに7人乗りの3列シート車を設定しています。
メインターゲットである小口貨物配送業者は、必要航続距離が37km/日(最大でも54km/日)というデータ分析をしており、同車の航続可能距離185〜190km(JC08モード)であれば十分と踏んでいます。
ほかにも造園業やペット関連、カフェの移動車などとしてもニーズを見込んでおり、標準装備されるパワープラグにより「走る蓄電池」としての性能も評価されるはず、と自信を見せています。
「e-パワートレーン」と呼ぶユニットはリーフ譲りで、減速比を商用車向けに変更し、最高速もリーフの144km/hから120km/hに下げることで実航続距離を延ばす工夫がされています。
床下中央に配置されるバッテリーも基本的にはリーフと同じですが、バッテリーモジュールレイアウトを変更。なお、荷室容量などはガソリン車と同値を実現しています。
注目は、次世代「新規回生協調ブレーキ」の採用で、従来型ブレーキと同じペダルフィールを実現しながら回生可能減速度を拡大することで、世界トップレベルの回生量を達成し、同ブレーキにより14%も航続距離が延びるそうです。
気になるのが価格ですが、バンは388万440円〜407万8080円で、ワゴンが462万4560円〜478万6560円。「免税」対象車になるのはもちろん、最大85万円の購入補助金も受けられます。
日産の試算では、ガソリン仕様と比べると、約8万2000km以上走ればe-NV200の方がお得、元が取れるそうで、5年の場合は1370km/月、7年の場合は980km/月となっています。
■商用EVバン日産e-NV200がスペインで生産スタート
https://clicccar.com/2014/05/17/255610/
(塚田勝弘)