人とクルマのテクノロジー展2014に展示されていた、すでに市販化されている最新のトランスミッションをご紹介します。
まず、日産を中心に三菱やスズキなどにCVTやATなどを提供しているジャトコ。
2Lクラスでトルク容量250Nm〜380Nmのユニットとして開発されたのが「Jatoco CVT8」。また、ジャトコと日産との共同開発中で、日産パスファインダーに搭載される予定の「Jatoco CVT8 HYBRID」は、380Nmの大容量タイプのトルコンを取り去り、そこにモーターと乾式多板クラッチを使っているのが注目。モーターを追加しながら全長をほとんど変えないのが目標で、タイトなパッケージングを実現しています。
つぎにドイツZFの9AT。フロント横置きエンジンのFFもしくは、オンデマンド式4WD向けで、レンジローバー・イヴォークと新型ジープ・チェロキーに搭載されています。
私は両モデルともに200km以上乗りましたが、ぼんやり運転しているとDレンジだと何速に入っているのか皆目分からないほどスムーズで、タコメーターの針を注視していないと変速しているのも分からないほど。10〜16%の燃費向上を実現し「人間の感覚を超えた速いレスポンスとシフトスピード」という謳い文句に偽りなしです。
スズキのブースで目を惹いたのが、オートギヤシフト。すでに今年1月頭にインドで公開していますが、新型5速MTに、クラッチおよびシフト操作を自動で行う電動油圧方式アクチュエーターを搭載した新開発のオートメイテッドMT(Automated Manual Transmission:AMT)。インドなどの新興国向けですが、燃費とイージードライブを兼ね備えたユニークなトランスミッションになっています。
(塚田勝弘)