軽の老舗・三菱がeKシリーズで復活!

このところ三菱は、軽市場でekワゴンやekルークスを開発・発売して、勢いを取り戻してきました。三菱といえば以前はSUVやランエボ、また最近ではEVやPHEVの印象がありますが、もともとはスバルやマツダと同様に軽の老舗なのですネ。そこでここでは、三菱の軽自動車の歴史について、振り返ってみたいと思います。

■3ボックスのミニカは、三菱360の兄弟車

三菱初の軽は、1961年に登場した2ドア・バンタイプの三菱360です。駆動方式はFRで、ドアは前ヒンジ式を採用。半年後にピックアップトラックを追加すると共に、翌62年には三菱360のセダン仕様として、トランクを備えた3ボックススタイルの初代ミニカが登場しました。ミニカはこの先50年も続く長寿ブランドですが、中でも印象深いのは89年登場の「ミニカ ダンガン」でしょう。何しろ、名前からして「弾丸」ですもの。気筒あたり5バルブを採用し、直4・20バルブにターボを付けたボーイズレーサー振りが、大いに話題を集めました。

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■個性がみなぎるパジェロミニとi/i-MiEV

スズキジムニーが独占していた軽SUV市場に、真っ向から勝負を挑んだのが、94年登場のパジェロミニでした。パジェロが持つ走破性とファッション性を軽規格に取り入れ、多くの支持を集めました。2006年には、全くのゼロから企画開発された「i」が登場。EV化を想定したボディ構造は、2重床とRRという独特なもの。エンジン仕様は、新型ekシリーズに役目を譲るべく生産を終えましたが、EV仕様の「i-MiEV」は持ち前のパッケージ特性と斬新なデザインで存在感を発揮。更に欧州には、プジョーIONとシトロエンC-ZEROとして、OEM供給しています。

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三菱が軽市場対策として強力に推進しているのが、日産との合弁プロジェクトです。工場の稼働率を高めたい三菱の台所事情と、オリジナル企画の軽を開発したい日産の経営戦略が見事に結実。昨年はハイトワゴンの三菱ekワゴン/日産デイズ、更に今年はスーパーハイトワゴンの三菱ekスペース/日産デイズルークスを送り出し、一大勢力を形成してきました。軽市場には、他にもトラックやバン、SUV等がありますし、アジア新興国をはじめとする国際市場の開拓も期待できますから、今後の新車開発にも大いに期待したいと思います。

(拓波幸としひろ)

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