スズキは2014年3月期の決算発表で「2期連続増収、5期連続増益、利益額・利益率は過去最高、期末配当は4円増配し14円」と発表しました。
国内では、軽自動車のスペーシア、アルトエコ、ハスラーなどが好調、2輪では欧州向けの大型バイクV-Strom 1000などのおかげで6期ぶりの営業利益でわずかですがプラスに転じたとの事。
増益についてはやはり円安の為替影響によるものが大きいものの、インドでの展開が大きな比率を占めるスズキとしては、インドルピーの為替はそれほど大きく円安に振られていないため、国内他社に比べると影響は少なめに出ているそうです。
注目されるのは名物経営者とも言える鈴木修代表取締役会長兼社長の発言です。記者たちも何が出てくるか楽しみで、質疑応答は必ずと言っていいほど「会長のお言葉でお答えいただきたいんですが・・・」と枕詞が定番になるほどです。
その中でも、「軽自動車は日本独自の企画で『ガラ軽』(ガラパゴスの生物のように、世界で通用しない独自の進化をした日本の軽自動車の意)と呼ばれ、グローバルから取り残されているのでは?」との質問に対し、
「スズキがインドで展開しているマルチ社からも軽自動車企画そのままの660ccではムリだと言われたのでアルトとワゴンRを日本の軽自動車のまま10台ほど送った。10年前の認識で660ccではダメだと言われていて、いまはそんなことはない。むしろ、日本と同じく島国が多い東南アジアでは小さな軽自動車が十分に受け入れられる。少なくとも世界の東南アジアでは通用する時代が来ている。制限された中で進化をして意外な効果を発揮したとも言える。日本の軽自動車を『ガラ軽』なんて言うのは『ガラッパチ』の言う事だ」と答えました。
ここでいう『ガラッパチ』はおそらく、『思慮深くなく発言するうっかり者』くらいなニュアンスでしょうか。
日本の庶民の味方、軽自動車を育て上げた名物経営者は、世界の庶民の味方でもあるようですね。
(編集長 小林和久)