近年、高級車市場ではメルセデス・ベンツ、BMWによるシェア争いが活発化。
ダイムラーのディーター・ツェッチェCEOは3月末に10億ユーロ(約1420億円)を投じて中国BBAC(北京ベンツ汽車)の生産能力を増強する契約を締結しました。
BBACはダイムラーが2005年に北京経済技術開発区に設立したBAIC(北京汽車集団)との合弁会社。
今回の投資は同工場で生産中のEクラス、Cクラス、GLKクラスの生産能力を2015年までに10万台から20万台に倍増させる為のものと言います。
ダイムラーとBAICは2013年8月、40億ユーロをかけてBBACの生産能力を増強する計画を発表しており、今回の能力増強はその一部となる模様。
同工場では来年からSUVのメルセデスベンツ 「GLA」クラスを生産開始予定。
一方、BMWのノベルト・ライトホーファーCEOは同じく3月末に米サウスカロライナ州で1994年に設立後20年の歴史を持つスパータンバーグ工場に10億ドルを投じて同工場を増強すると発表しました。
2013年には同工場で約30万台が生産され、うち70%を輸出。
今後は新型「X4」を含むBMW 「X3」から「X6」までの4種のSUVに加えて大型SUV「BMW X7」を生産予定と言います。
増強後のスパータンバーグ工場の製造能力は現状の1.5倍となる45万台/年に、従業員数は800人増の8,800人に引き上げられる模様。
このように欧州勢は欧州以外での生産能力の拡大に注力している状況。
そのワケは下グラフに示したように、足踏みする欧州市場に対して中国と米国市場の成長が著しいことに加えて、人気が高いSUVの増産対応もその理由。
2014年度の中国の新車市場予測は2374万台で米国は1607万台との予測から両社はターゲット市場での生産能力増強に余念が無いというワケです。
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