フツーにドリフトしてる!
言葉にすると面白くもなんともないですが、それがTeam TOYO TIRES DRIFT TRUST RACINGがデビューさせた、D1初のニッサンGT-Rの走りを見た関係者の印象というところでしょう。
というのは、D1はスーパーGTなどと比べると改造範囲が狭いため、ベースとなる車両のシャシー要素をけっこう残して製作することになります。
その中で、4輪駆動車として、しかもトランスアクスル機構を採用して作られているGT-Rを、FR駆動にしてトランスミッションもエンジン直後に搭載した場合に、そんなに素直なドリフト特性を示すかどうかは、ハッキリ言って不安視されていたからです。
つまり「フツーにドリフトしてる」っていうだけでも、かなりポジティブな驚きなのでした。
デビュー戦の前に行ったテストはたったの1回、それでもドリフト仕様としてまったく初めて使う車種がこれだけ走れたというのは、かなり上出来といっていいでしょう。
その理由としては、トラストチームにはVR38エンジンの実績が十分にあり、エンジンに関してまったく不安要素がなかったこと。そして、GT-Rは、4WDとはいえ、基本的な考え方がFRをベースにしていることが挙げられるかもしれません。
このあたりは、インプレッサやランサー・エボリューションをベースにしたFR仕様よりもドリフトに適していたといえるのではないでしょうか。無理をしなければ、わりあいフツーにドリフトできるし、けっこうドリフトアングルもつけられるクルマになっていました。
いっぽう、さすがにテストがまだ不十分ということで、ドライバーの川畑選手によれば、「できることのレベルはまだそんなに高くない」ということです。
クルマの能力の範囲内ではまとまったドリフトができるものの、相手に勝ちたいというケースで無理をすることは、まだできないようです。また、1000psを超えるパワーに加えて、130kgーmを超えるトルクがあるいっぽうで、まだ足まわりのセッティングが不十分なので、トラクションは十分に確保されておらず、パワーをもてあましている状態だそうです。
このTeam TOYO TIRES DRIFT TRUST RACINGのGT-Rは、ドライバー川畑選手の去年の成績により単走予選は免除され、単走決勝から走りましたが、まだクルマに乗り慣れていないことによるドライバーの操作ミスで単走決勝は20位どまり。追走予選では斎藤太吾選手と戦いましたが、加速時のトラクションで負けて敗退し、総合順位は22位となってしまいました。
とはいえ、デビュー戦の成績としては上出来。とりあえず「どうにもならないクルマ」ということはなさそうなので、熟成されれば上位進出も狙えそうです。
※画像提供:D1コーポレーション
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(まめ蔵)