フル乗車だとパワー不足か!?【日産エクストレイル試乗記02】

マツダCX-5に「SUVナンバー1」の座を譲り渡した日産エクストレイルですが、新型で当然ながら巻き返しを図っているはず。CX-5といえば、ガソリンもありますが、クリーンディーゼルのトルクフルな走りと18.6km/Lという低燃費が高く評価されています。

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新型エクストレイルは、2.0LのMR20DDエンジンのみで、クリーンディーゼル搭載車は旧型エクストレイルとして併売されます。

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2.0LのNAガソリンエンジンは、直噴化と圧縮比を高め、吸排気効率を高めるツインVTC化、フリクションロスの低減などを行っています。

先代の137ps/200Nmから147ps/207Nmにアップしつつ、燃費も12.0km/Lから16.4km/Lと大きく向上させ、「75%減税」をクリア。

なお、CX-5の2.0Lガソリンも16.4km/Lですからライバルにピタリと照準を合わせているのがよく分かります。

ただしCX-5は6ATで、エクストレイルは改良を受けているとはいえCVTですから、個人により好みがあるとはいえ、ダイレクト感では少しCX-5に分があるかなと思います。

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しかし、パワーアップして燃費も高くなり、ボディの剛性感も高く、乗り心地も良好となると「いうことナシ!」のようですが、乗ってみるとスペックほどの速さは感じられません。

重量は先代とほとんど変わっていないのを考えると、出力特性は燃費に振ったのかな? と思われます。もちろん、普段使いで普通に乗る分には不足はないですが、7人乗り仕様はもちろん、5人乗り仕様でも定員に近い人数が乗ると、シーンによってはパワー不足を抱かせることがあるかもしれません。

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運転席の右下という、操作しにくい場所に配置されるECOスイッチをオフにしてもパワーアップを感知することが難しく、むしろECOを常時オンにさせておいて燃費を稼ぐという考え方なのでしょう。

また、CX-5がクリーンディーゼルという飛び道具を備えているのと比べると、パワートレーンとしてはややもの足らないのも確かですが、悪路走破性などのSUVとしての総合力は高いですから、セールス的にはSUVナンバー1争いの明暗を分けるほどではないかもしれません。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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