エコランもスポーツ走行も自由自在【ホンダ・ヴェゼル試乗記01】

フィットよりもひと回り大きなボディに、1.5Lの直噴DOHC i-VTECエンジン、22kW/160Nmを発揮する1モーターを組み合わせたことで、システム出力は最高で112kW(152ps)と、2.0LのNAエンジン並みを誇るヴェゼル(ハイブリッド)に試乗しました。

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ガソリンも用意されていますが、販売比率で86%を超えるハイブリッドへの期待と評価が高いのは、「燃費で元が取れる、取れない」は別にして時代の流れといえるでしょう。

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フィットハイブリッドは、システム合計で101kW(137ps)ですから200kgほどヴェゼルが重いぶん、街中で普通に流している分には大きなアドバンテージは感じさせません。

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ただし、「ECON」スイッチオンでも街中ならパワー不足を感じるシーンはほとんどなく、高速道路でもオンのまま流れに乗れますし、勾配時や追い越し時にオフにすればまさに必要十分。高速道路での余裕は、フィットHVよりもやや上に感じます。

さらに、「SPORT」モードに切り替えるとメーターがレッドになり、エンジンレスポンスも回転数も高くなりますが、日常的なシーンでは必要性は感じさせないほど。

「SPORT」モードにすると、アイドリングストップがオフになることもあり、燃費を気にするのであれば勇気がいりますが、それでも急勾配の高速道路やワインディングでかっ飛ばしたい際はスイッチオンでスポーティカーのようにまさに変貌するのは、1モーターとはいえハイブリッドのもうひとつの恩恵。

トランスミッションはフィットハイブリッドに続くモーター内蔵型の7速DCTで、止まるか止まらないかの極低速時で多少ギクシャクしますが、目くじらを立てるほどではありません。

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さらに、ハイブリッドには高速道路や山道などで重宝するパドルシフトが備わりますから、指先でマニュアル感覚の操作が可能。

今回は高速道路を約7割、一般道約3割の339kmを走行し、燃費は約17.9km/L。とくにエコランに徹するわけでもなく、逆に飛ばすこともほとんどなく、流れに乗る走りでしたが、かなり良好な数値いえるでしょう。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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