プロトタイプではありますが、注目のスバル・レヴォーグに試乗する機会がありましたので細かくご報告していきたいと思います。場所はツインリンクもてぎの外周路と本コース(サーキット)で、生産前のプロトタイプですから市販車になる段階では走りのフィーリングなどの完成度は他車と同様に変わってくるという前提付きです。
まず、大型化した現行レガシィに対しては、ユーザーはもちろん、我々プレスも大きすぎるでしょう? という指摘を再三してきましたが、好調な北米市場を主戦場とするとなると仕方がないのでしょう。レガシィはさらに上級指向になるそうですから、国内はレヴォーグに当然期待が集まるわけです。
レヴォーグのスリーサイズをおさらいすると、全長4690×全幅1780×全高1485mmで、現行よりも100mm短く、ルーフ高は70mm低くなり、全幅とホイールベースは変わっていません。
短くなった分はフロントオーバーハングで10mm、ホイールベースは同じとなると、リヤセクションで90mm稼いでいることになります。実際の見た目では、低くなった恩恵が大きく確かにひと回り小さく感じます。
全長が100mm短くなりましたが、「オーナーの声を聞くと、先々代の4代目レガシィのサイズが使いやすかったが、全幅は現行型とキープがいいという声が多かった」そうで全幅は同一。全幅はキープでいいという声は本当かな? と思いますが……。
なお、最小回転半径はレヴォーグの1.6Lターボが5.4mと0.1m短くなりましたが、2.0Lターボは5.5mと同じです。
狭い道でのすれ違いはほとんど変わりなく、狭い交差点を曲がる際などは全長が短い分は多少ラクになっているかもしれませんが、大差はないでしょう。個人的には日本でストレスなく使うにはプリウスの1745mmくらいがちょうどよく、20mmくらいでも横幅が狭い方が扱いやすいはず。
また、駐車場の奥行きが短くて現行型レガシィがギリギリ入らなかった人は、わずか「10cm」の違いでレヴォーグなら入庫できるようになるかもしれません。
実際にステアリングを握ってみると、斜め前方の視界が現行レガシィよりも開けているのも朗報。三角窓が大きくなり、Aピラー周辺の死角を減らしたという効果を実感できます。
細かな所では、レガシィよりもミラーの幅を10mm横長にして、高さを16mm低くしたことで縦横比を最適化し、ボディとの一体感、つまり見た目をよくしていますが、ミラーtoミラーの全幅は20mm増えていることになります。
(塚田勝弘)