兄貴分のフォーカス、SUVのクーガと「ONE Ford」戦略の元、グローバルモデルを続々と日本に導入しているフォード。2014年のトップバッターは世界で最も売れているBセグメント車であるフィエスタで、今年後半にはコンパクトSUVの「エコスポーツ」の導入もアナウンスされています。
日本では2007年以来の販売ですから約7年ぶりになるわけですが、フィエスタというと、2.0Lを積んだ「ST」というホットハッチが脳裏から離れない私だけではないでしょう。
今回の4代目フィエスタは、2012年にマイナーチェンジを受けていますが、「1.0L EcoBoost」(エコブースト)搭載のタイミングを狙って日本に導入したそうで、「ST」の日本導入があるかは現時点では予定なしのようです。
今回の日本向けは、1.0Lの直列3気筒「EcoBoost」であるのが最大のトピック。フィアットグループの2気筒「ツインエア」ほどの思い切りではありませんが、大胆な「排気量ダウンサイジング+過給」で燃費向上を狙うのがもちろん主眼。
最高出力は100ps/6000rpm、最大トルクは170Nm/1400-4000rpmで、車両重量は1160kg、JC08モード燃費は17.7km/L。スペックだけ見ても1Lで100ps、車重も1.1t超ですから走らないわけがありません。
フォーカスと同様に、ゲトラグフォード製の6速DCT「PowerShift(パワーシフト)」を「D」レンジに入れて走り出すと、極低速域でアクセルの踏み込み量よりも思いのほか加速してしまう「飛び出し感」が少し気になります。
しかし、変速マナーの学習機能が備わる「PowerShift」は、走行距離が短いとこうした傾向があるそうで、距離を延ばせば気にならなくなるのは私もフォーカスで体験済みなので懸念にはならないはず。また、シフトレバーにある変速用スイッチは少し使いにくいですが、マニュアル感覚の操作が可能です。
そこからアクセルを踏み込むと、低速域からトルクが瞬時に立ち上がり、フラットトルクが続く、いかにも「小排気量+過給器」エンジンのフィーリング。急な上り坂が続く芦ノ湖スカイラインでもグイグイと加速していきます。
さらに、回してもパンチ力が続きますから1.0Lの3気筒であることを感じさせないほどで、ついついアクセルを踏みたくなる衝動に駆られますが、分厚いトルクにより平坦路ならそれほど踏まなくても楽に走らせることができます。
■フォード・フィエスタが2月1日より価格229万円で発売開始!
https://clicccar.com/2014/01/09/242298/
■フォード小型SUV「Eco Sport(エコスポーツ)」今年後半にも日本導入へ
https://clicccar.com/2014/01/14/242497/
(塚田勝弘)