トラストが来たか! という感想を持たれたかたが多いと思います。東京オートサロン2014のプレスデーに、Team TOYO TIRES DRIFT TRUST RACINGからニッサンGT-RでのD1GP参戦が発表されました。ドライバーは昨年のシリーズチャンピオン川畑真人選手です。
トラストはかつてはル・マン24時間レースでも活躍した名門チームです。2008年に民事再生法の適用を受け、元気がない時期がありましたが順調に復活をとげてきました。そして、2013年「トラストがモータースポーツに復帰するにはまずD1GPがいいだろう」という方針ができ、TOYOタイヤにも協力してもらってD1GP復帰が決まったそうです。そして、トラストのイメージが強く、パワーも出せて迫力のあるクルマ、ということでGT-Rに決まったといういことでした。なお、川畑選手は、2004年から2006年の期間にトラストからD1GPに参戦していたことがあるので、古巣への復帰という側面もあります。
それにしても、ニッサンGT-RはD1GPへの参戦が待望されながら、ドリフトの実績がないシャシーであることや、車両や部品の高価さなどからどこのチームも実現できていませんでした。それを復活のシンボルとして名門パーツメーカーであるトラストが参戦してくること、そしてドライバーに川畑選手が抜擢されたことは、さまざまな面で注目度が高いビッグニュースだといえるでしょう。
さて、このGT-Rですが、エンジンはトラストのパーツを使って強化され、駆動方式はFRに改造されます。トランスアクスル方式ではなくエンジン直後にトランスミッションを搭載することになります。ボディは片側約70mmワイドになっていますが、今後フロントタイヤの切れ角を増やす改造が行われることになります。
ここでGT-Rの戦闘力を予想すると、エンジン性能はD1においてもまったく問題ありません。4Lに排気量アップされるというVR38エンジンは、文句なくD1GP最強といえるでしょう。とりあえず1000psを目指しているそうですが、トルクが出すぎることも心配されるくらいポテンシャルは十分です。
いっぽう不安要素もあります。まずベースが4WDであるGT-RをFR駆動に改造した際、駆動系の耐久性が保たれるのかどうか? また、現在TOYOのハイグリップタイヤ、プロクセスR1RにはGT-Rに合うサイズがありません。展示車両はT1スポーツを履いていましたが、それでグリップ力は足りるのか? それともR1Rに新しいサイズが設定されるのか? そのあたりも注目です。
川畑選手は「車重がちょっと不安要素だけど、乗るのは楽しみです。なんかいけるような気がしてます。スピードのあるドリフトを見せたい」と語ってくれました。なお、展示車両は黒ですが、開幕までにはTOYOカラーであるブルーに塗装される予定です。
D1GPの開幕戦は3月29日(土)30日(日)に富士スピードウェイで。GT-Rのド迫力ドリフトが見られるでしょうか?
■Team TOYO TIRES DRIFT TRUST RACING仕様(オートサロン展示車)
エンジン:VR38改 4L ツインターボ仕様
最大出力:1000ps/7400rpm
最大トルク:120kg-m/4600rpm
ターボチャージャー:RX1200キット
クラッチ:OSトリプルプレート
トランスミッション:OSシーケンシャル
LSD:OSスーパーロックLSD
ブレーキ:エンドレスブレーキシステム
サスペンション:DG-5/トップシークレットアッパーアーム/調整式リアアーム
エクステリア:RocketBunnyフルエアロ/TopRacingドライカーボンボンネット/サブドライブドライカーボンルーフ
シート:ブリッドZETA III
シートベルト:RaceTech4点ハーネス
タイヤ:PROXES T1Sport(285/35-20)
ホイール:VOLKRACING TE37 ULTRA(11J-10 ±0)
■D1GPの情報は、D1公式ウェブサイトで(http://www.d1gp.co.jp)
(まめ蔵)