エリシオンとの統合、5代目新型オデッセイが背高とスライドドアで登場!

ホンダ車のフルモデルチェンジは、奇数世代になると開発コンセプトを大きく変えることで知られています。先頃デビューした3代目フィットも、大変貌を遂げて大ヒットをカッ飛ばしました。今回で5代目となる新型オデッセイも、先代の背低スポーツミニバンから、背高スライドドアミニバンへ大変革を遂げました。そこには時代と共に育んできたホンダ上級ミニバンのDNAが、継承すべき歴史と共に、しっかりと宿っているのです。

72■元は一緒?オデッセイとエリシオンの統合とは!

新型オデッセイ開発責任者の中川LPLは、初代の足回りから開発に関わるオデッセイのスペシャリスト。もともと初代オデッセイは、低床によって全高を抑えた「セダン的な走りのユーティリティ・ミニバン」として登場しました。その後、ミニバン市場が急拡大してニーズが多様化する中、ホンダは3代目オデッセイを低床低重心の「スポーツミニバン」に進化させるとともに、上級ユーティリティを備えたエリシオンを送り出して「背高ミニバン」層をカバーする両面作戦を展開したのです。更に最近では上級ミニバン市場のニーズがユーティリティ重視に収斂してきたことから、5代目オデッセイでは「スポーティな上級ユーティリティミニバン」にコンセプトを定め、エリシオンを統合する形で開発を進めました。

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■超低床化とスライドドア化を両立した新設計プラットフォーム

低床低重心プラットフォームに背高スライドドアボディをのせれば、走りもユーティリティも万事両立。これだけでも、新型オデッセイの素性の良さが見て取れます。ところが現実的には、低床でスライドドアを実現するのは至難の技。そこで新型オデッセイでは「ステップワゴンの床を押し潰した」ような低床スライドドア用プラットフォームを新たに開発し、スライドドアでは他に例のない超低床を実現。 その結果、初代オデッセイが備えていた「低床による走りの性能」と「ミニバンとしてのユーティリティ」を、両方とも大幅に進化させることに成功したのです。

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■「エキサイティング・H・デザイン」で個性を発散

 新型オデッセイも、ホンダ最新の「エキサイティング・H・デザイン」を採用。フロントマスクは押しの強い「ソリッド・ウィング・フェイス」で、アブソリュートは標準仕様よりも更にギラギラしたグリルを採用しています。またサイド下部の凹面から凸面に変化するウェーブ造形は、新型オデッセイならではの斬新な造形となっています。フロントフェイスは最新のホンダトレンドですが、ボディのシルエットやラインには車種毎に異なる立体造形を採用しており、塊感と張りのある個性的なスタイリングを実現しているのです。

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新型オデッセイでは、低床とユーティリティを優先したため、一般的なサス形状へ変更を余儀なくされました。代わりに、名門ザックス社のショックアブソーバーを採用。その結果、新型は先代より背が高いのに、テストコースでは先代よりも速いタイムで駆け抜けるのですから素晴らしい! オデッセイとエリシオンを「フュージョン」した5代目オデッセイの進化に、大いに注目したいと思います。

(拓波幸としひろ)

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