10月26~27日に愛知県で開催された全日本ラリー選手権 第9戦 新城ラリー2013のJN-1クラスで、なんとなんとの電気自動車が優勝!
自動車評論家の国沢光宏さんがドライブする日産リーフが、延べ入場者数5万人を超えた新城ラリーでガソリン車を打ち破っての優勝を勝ち得たのです。
この日産リーフが全日本ラリーに初出場した「モントレー2013」のレポートで電気自動車「日産リーフ」でラリーチャレンジ! 完走できるのか?などという失礼なタイトルをつけてしまいましたが、完走どころか優勝してしまったのですから驚きを隠しきれません。
前回出場の京都、丹後半島ラリーからJN-1クラスとして選手権参加したリーフですが、モントレーの時から車両が大きく仕様変更しています。特に大きいのがJAFからの指示によるブレーキ関係の変更。AEという車両規定でマシン製作されるリーフでは選手権に参加する場合はブレーキをノーマルから変更できないということで、ノーマルのキャリパーとディスクに戻されています。また、せっかく製作した油圧のサイドブレーキも電磁式に戻していますので、競技中にサイドブレーキが使えない状態になってしまったとのコト。それでも丹後半島ラリーはクラス3位という結果を残しているところはさすが。
そして、DAY1となった10月26日の午前中、上陸はしなかったにせよ台風が思いっきり接近していた最中に高速SSを走る日産リーフの車載動画をご覧下さい。ノーマルブレーキとは思えないほど飛ばしてます。
カメラについたマイクで音声を拾っているとのコトですが、エンジン音やミッションのメカニカルノイズが全くしないのはさすが電気自動車。むしろサスペンションの動く音やロードノイズの方が目立ってしまいます。驚くことに、このSSで履いていたタイヤは、なんとエコタイヤ「ヨコハマ ブルーアースA」!
大雨であればこちら(ブルーアース)の方がむしろいい、とは国沢さんの弁。それにしてもエコタイヤもいい仕事しますね。
充電がかなりうまくいったのでわりとセーブしないでいけたのが今回の勝因とのこと。しかしDAY2でトップに立ったあたりで電池温度上昇によりクルマの方がセーブモードに突入。セーブモードの限界ギリギリでなんとか逃げ切ったカタチです。
それにしても競合ひしめく全日本ラリーで、優勝をしてしまうポテンシャルを秘めていた電気自動車、日産リーフ。それも一般市販のノーマルから競技仕様にしたもので、安全装備と足回りくらいしか変更されていない状態での優勝です。モントレー出場の時点では一体誰が想像できたでしょうか。
充電と電池温度に課題は残っているようですが、電気自動車の可能性を広げたことは間違いない国沢さんとリーフのラリーチャレンジ。ぜひ来年度も戦って、そしてシリーズチャンピオンの夢を見せていただきたい、と願います。
関連記事
電気自動車「日産リーフ」でラリーチャレンジ! 完走できるのか?
(北森涼介 写真提供 kunisawa.asia)