2012年度の世界販売台数が975万台と、GMの929万台、VWの907万台を抑えて、前年度の3位から首位の座に返り咲いたトヨタ自動車。
昨年9月以降、中国反日騒動の影響を受けて、惜しくも期待された世界販売1,000万台の壁を破る事が出来ませんでしたが、2013年上半期(1-6月)の世界販売台数でも491万台(前年同期比-1.2%)でGM、VWを抑えて首位を維持しています。
ちなみに同期間に於けるGMの世界販売台数は485万台(前年同期比+4%)、VWは470万台(同+6%)で2位のGMとの差は6万台、3位のVWとの差は21万台の状況。今年は昨年にも増して各社前代未踏の1,000万達成を目指して横一線の接近戦状態。
トヨタが8月2日の第1四半期決算報告会で公表した2013年度暦年ベースの世界販売計画台数は996万台で1,000万台超えが目前。
あくまで1,000万台を超える事を主目的には置かず、「結果的な大台超え」を目指すトヨタですが、経済界では同社の自動車販売に於ける世界初の記録樹立に期待を寄せる向きが多いのも事実。
過去には米GMが何度も挑戦したものの、日本車の台頭や小型車へのシフトで出遅れたことが致命傷となり超えることが出来なかった世界販売1,000万台の壁。
そうしたおり、トヨタは今年3月に大規模な2点の社内組織改変を行いました。
1点目は「事業の収益責任明確化」、「意思決定迅速化」に向け、レクサス事業を担当する「レクサス・インターナショナル」、北米・欧州・日本事業を担当する「第1トヨタ」、中国・豪亜中近東、アフリカ、中南米を担当する「第2トヨタ」、ユニット系を集約した「ユニットセンター」の4つの組織に分割、それぞれに副社長を事業責任者として配置して事業・収益責任を負う体制に変更。
特に新興国を担当する「第2トヨタ」では市場が急拡大する中で、市場ニーズにマッチした商品を迅速に投入、新規顧客の獲得を重視。
「ユニットセンター」では生産技術開発などを括り出し、「世界一の競争力を持つユニット開発と迅速な製品化の実現」を目指しています。
2点目は「TNGA企画部」を新設、トヨタ全体の仕事の進め方を抜本的に見直す活動「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を迅速に推進する体制を整備。
販売台数がさらに拡大する局面でも品質に優れた「もっといいクルマづくり」を目指すとしています。
こうした社内体制改変により万全な体制で新たな「未体験ゾーン」に挑むトヨタですが、世界情勢に於いては昨年の如く何が起きるか判らないのが実情。 2013年末に同社が今年こそ1,000万台の厚い壁を突破出来るかどうかが大いに注目されます。
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