「ぶつからないスバル」、そのイメージの源泉であり、実際に安全を生み出している技術、それが「アイサイト」です。
ステレオカメラにより前方の状況を把握、衝突回避&被害軽減につながるプリクラッシュブレーキをかけるほか、停止状態から100km/hまでに対応する追従型クルーズコントロール(ACC)も実現しています。
その「アイサイト」が次世代型へ進化することが発表されました。
これまで、制御系ソフトウェアで進化してきたアイサイトですが、今回はハードウェアが一新されているのがニュースです。
一目でわかるのは、ステレオカメラ・ユニットの筐体が変わっていること。 ルームミラーを挟むように配置されたステレオカメラは、それなりの存在感があります。それは安心感のシンボルでもありますが、やはり小型化へ永遠のテーマ。幅はほぼ同じなのですが、今回の進化により薄くなっているということです。
小型化しただけではありません。次世代のアイサイトは、現行の30万画素相当のモノクロカメラに対して、グッとスペックを上げています。120万画素相当で、しかもカラーカメラになっているのです。
単純に考えて、画素数で4倍、色情報で3倍、あわせて10倍以上の情報量になっているわけです。しかも、カメラユニットの改良により、認識範囲は約40%の広角化・望遠化を果たしているといいます。
こうして豊富になったステレオカメラの画像により前方の状況を的確に把握でき、緻密な制御を可能にしたのが、次世代アイサイトというわけです。
カラー情報を得たことで、たとえば先行車のブレーキランプ点灯を認識できるようになったのは、その一例。また広角化によって歩行者認知性能を高めているほか、並走する自転車が前方に飛び出したケースでもブレーキをかけることができるといいます。
およそ6年ぶりとなるハードウェアの進化ですが、カラー化、画素数アップがコストアップにつながらないよう配慮されているというのも注目点。市販車への搭載価格も、現行モデル並が期待できそうです。
こうしたアイサイトの進化は、「スバル車の関係する、あらゆる交通事故をゼロにしたい」という大いなる目標に向かっている一歩なのですが、将来的にはアイサイト技術を核として自動運転を 目指すことも発表されました。
じつは次世代アイサイトにおいても電動パワーステアリングの機能を活かして、高速道路で車両側がハンドル操作することによるレーンキープアシスト「車線中央維持」を実現していますが、2020年代の実用化を目指す未来のアイサイトでは高速道路の自動運転の実現が目標。
とはいえ、完全にクルマ任せのシステムとなるのではありません。あくまでもドライバーが技術の中心であるというスバルらしさはそのままに、事故のないクルマを目指すのが、スバル自動運転システムの開発テーマということです。
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(山本晋也)