いまや、ハイブリッドカーでなくとも、減速時のエネルギー回生は省燃費技術として重要性を増しています。
たとえば、マツダのエネルギー回生システム「i-ELOOP」では電気二重層キャパシタを使うことで、エネルギー回生時に瞬時に蓄電する優位性とアイドルストップ時の電装系をキャパシタからの電力で動かすことでトータルでの効率アップを狙っています。
また、ホンダがフルモデルチェンジしたばかりのフィットでは、ベーシックな1.3リッターガソリンエンジン車に、同じく電気二重層キャパシタを採用しています。完全にシステムを刷新したハイブリッドに注目が集まりがちですが、ベーシックグレードでもアイドリングストップの有効活用と鉛バッテリーの負担減を図るためにキャパシタを採用したというのは、もっと話題になってしかるべき、かもしれません。
さて、2013年10月1日~5日に幕張メッセで開催されるテクノロジーショー「CEATEC JAPAN」には、そのマツダとホンダの両社に電気二重層キャパシタを納める日本ケミコンがブースを出展、
マツダとホンダが使っているモジュールと電気二重層キャパシタ「DLCAP」を並べて、アピールしていました。
まだまだ馴染みの薄いキャパシタですが、こうして量産車に採用されることで、信頼性やコスト面での優位性というブランド力は高まっているということで、様々な業種からアプローチが増えているといいます。
なお、メーカーの要望に合わせて、細かい部分では異なる仕様の製品を納入しているとのことで、まったく同じキャパシタが使われているわけではないとのことです。
マツダから間もなく登場するアクセラにも採用が決定しているという、日本ケミコンの「DLCAP」。今後の拡大に注目したい部品といえそうです。
(山本晋也)