HONDA eの発売だけでなかった!ホンダ、電気自動車でGMと組んで、成功/失敗の可能性は?

■早くから電気自動車に取り組んでいたホンダだが…

HONDA e
いま一番ホットな電気自動車HONDA e

ホンダがアメリカ市場向けの電気自動車でゼネラルモーターズ(以下、GM)と組むことになった。発表されたリリースによれば、ホンダとGMで共同開発&生産する電気自動車をホンダ車として販売するというもの。もう少し詳しく書くと、プラットフォームと電池を共通化。ボディ上物がホンダのオリジナルになるようだ。取り組みイメージとしてはトヨタ・スープラとBMW/Z4のようなものだと考えればいい。

なぜGMと電気自動車なのか? 御存知の通り世界各国で厳しい燃費規制が始まる。内容を見ると共通して「電気自動車を販売するように」という規制です。元祖はアメリカの『ZEV規制』(排気ガスを出さないクルマを一定台数販売しなさい、というもの)だったのだけれど、今や欧州が一番熱心になっている。中国も電気自動車を強く推進している国の一つ。

ホンダも早い段階から電気自動車の開発に取り組んでいるのだけれど、あまり上手くいっていない。正確に書くと技術面では問題無いのだけれど、コストダウンが出来ないのだった。御存知の通り電気自動車の価格=電池の価格と言っても良い。ホンダは電気自動車を作っていないし、電池を作るメーカーに投資してこなかったため、調達コストが高いようなのだ。

電気自動車から逃げてきた、といいかえてもよかろう。だからこそホンダeは35kwhという少ない電池しか搭載していないのに451万円という驚くほど高い車両価格になった。ちなみにトヨタRAV4 PHVは電池を18kWh搭載し、発電兼走行用用エンジンと前後モーターを搭載しながら469万円という価格を実現してきた。日産ARIYAも65kWh電池を搭載し500万円程度というアナウンスです。

『宏光MINI EV』
「国沢光宏」とは無関係の『宏光MINI EV』

世界を見れば中国のGM系メーカーである五菱汽車の『宏光MINI EV』がリチウムイオン電池を14kWh搭載して60万円! すでに電気自動車の価格破壊は始まっている。こう書くと「中国だと電気自動車が燃えてもニュースにならないし大きな問題にもならない」みたいな意見も出るだろう。確かに現時点では若干の問題など発生しているものの、やがて改良されていく。

日米欧の自動車メーカーはトラブルが出ないよう入念な対応を行うため高価になってしまい、結果として普及も進まないのだった。高い電池に見合った高品質なクルマ作りをするとホンダeが出来る。安全に少し問題を抱えがらも安さを追求したクルマ作りをすれば(安全は徐々に確保していく)宏光MINI EVになります。どちらが売れるかは考えるまでもない。

もちろん電池のコストダウンはどのメーカーでも大きなハードルになっている。日産は巨額の投資をして自社開発した。トヨタはハイブリッドやPHVで需要を作り、技術と量産効果を出そうとしている。けれどホンダを見ると、そういった「投資」をしてこなかった。一方、電気自動車のニーズは待ってくれない。そこで考えたのが欧州市場対策用のホンダeと、アメリカでGMと組む戦略です。

単独開発したホンダeについていえば前途なかなか厳しいようだ。今や欧州市場は電気自動車が大人気! ルノーZOEなど2020年7月だけで9280台も売っている。ホンダeの年間販売目標は1万台ということながら、初期受注から伸び悩んでいるそうな。ホンダe、日本より100万円くらい安い価格で販売しているのに厳しい。欧州でも電池搭載量が少ないと言われているのだった。

GMと共同開発する電気自動車が競争力を持つ価格&性能だったら売れると思う。ただ動きを見てるとGMもホンダもホンキのプロジェクトと思えない(ホンキなら当然ながらGMだってホンダだって自分だけでやりますよ)。電気自動車の前から始まっている燃料電池車の共同開発も苦労していると聞く。資本関係無しの共同開発は中途半端になる、というのが普通です。

もちろんホンダとGMが組めばテスラや日産やトヨタより安価で高性能な電気自動車を作れる可能性はある。そうなることを期待したいと思う。

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