SUV初のオールアルミボディをまとった4代目レンジローバー。新型レンジローバーには2度試乗する機会がありましたが、大きなボディサイズを感じさせない軽さと取り回しのしやすさ、それでも安っぽさとは無縁のいい意味での重厚感のある走りには毎回唸らされます。
2014年モデルは、既存の5.0L V8 NAエンジンから3.0LのV6スーパーチャージャーに代わり、全車にアイドリングストップが備わります。このエンジンは5.0LのV8をベースに、ルーツ式ツインヴォルテックススーパーチャージャーや高圧直噴システムを搭載し、ツイン可変バルブタイミング機構などにより340ps/6500rpm、最大トルク450Nm/3500rpmを発生。新開発の8速ATと組み合わせることで、パワーもドライバビリティの面も不足はないはずです。
また、先述したアイドリングストップの搭載により、従来の5.3km/Lから7.4km/LにJC08モード燃費を向上させています。
「キング・オブ・SUV」であるレンジローバーに乗るような方は経済的な面で燃費を気にすることは少ないかもしれないですが、環境への配慮はもちろん、航続可能距離が延びることは歓迎するのではないでしょうか。
ほかにも新機能が追加されています。「ウェイド・センシング機能」は、小川や浅瀬、冠水した道路など水深のある場所を走行している際に、水深情報がタッチスクリーンに表示されるもので、水深が深すぎる場合はドライバーに警告し、リアルタイムで渡河水深限界と現在の水深を絶えずチェックできます。
ボディサイズが大きくても、コマンドポジションと呼ばれるアップライトかつ車両をつかみやすい運転姿勢、ボディ形状により縦列駐車も思いのほかしやすいのがレンジローバーの特徴ですが、「パークアシスト機能」が加わったことで縦列駐車時に駐車可能スペースを検知し、自動的にステアリング操作がされます。ドライバーはアクセルとブレーキペダル、必要に応じて前進とリバースのギヤ操作をするだけで済みます。
また、駐車スペースからバックしながら出る際などに安心な「リバース・トラフィック・ディテクション」も用意。万一、衝突の可能性などを察知するとドライバーを警告する機能。
価格は新しい「3.0 V6 SUPERCHARGED VOGUE(スーパーチャージド ヴォーグ)」が1230万円、「5.0 V8 SUPERCHARGED VOGUE(スーパーチャージド ヴォーグ)」が1490万円、最上級の「Autobiography(オートバイオグラフィー)」が1670万円です。
(塚田勝弘)