既報のとおり、フェラーリがこれまでのV8エンジンシリーズの集大成と胸を張る「458スペチアーレ」をフランクフルトモーターショーでアンベールしました。フェラーリはF1をのぞき、これまでの5年間でプロダクト開発に14億ユーロを投じていて、さらに今後5年間も20億ユーロを用意するといいますから、魅力的なモデルがまだまだ出てくるはずですが、この「458スペチアーレ」は当然ながらF1で得たノウハウが反映されています。
NAのV8エンジンで史上最高のパワーを誇り、605ps/9000rpmは「458イタリア」を35ps上回るもので、レース専用ユニットに迫るレベル。組み合わされるF1デュアルクラッチ(DCT)には新しい制御を採用し、加速感を磨いているといいます。
車両重量は1290kgと非常に軽量で、パワーウェイトレシオは2.13kg/psと驚異的。この優れたパワーウェイトレシオが、3.0秒という圧倒的な0-100km/hの加速性能を達成し、さらに、1分23.5秒という優れたフィオラーノ・サーキットでのラップタイムを実現。
また、同車最大の特徴が前後に装備された「モバイル・エアロダイナミクス・ソリューション」と呼ぶフェラーリの特許技術。ダウンフォースが異なるコーナリング時とドラッグを抑えたい時に前後のエアロダイナミクスを変えることが可能です。
さらに、世界初のサイドスリップ・アングル・コントロールや「F1-Trac(トラクションコントロール)」、電子デファレンシャルなどによりスムーズでありながら、制御可能なパワーオーバーステアを実現するといいます。
(塚田勝弘)