台風は熱帯性低気圧へと変わり、雨は全く降ることはありませんでした。
つまり86/BRZレースの予選は、予想外の完全なドライコンディションだったのです。雨が降れば路面温度が下がり、タイヤのグリップ性能が変化します。それをきっかけにして、予定調和ではない結果が生まれる可能性もあるのです。
結果からいえば、今回もまた予選1位は山野直也選手でした。第2戦SUGO以来、3戦連続のポールポジションです。
86/BRZレースでは予選と決勝を同じタイヤで走らなければなりません。そのため、予選でがんばってガンガン走るとタイヤが磨耗してしまい、決勝レースではグリップがない! というようなことが起きます。
1発の速さを持つ山野選手は、最初の予選アタックで1分52秒913という、スーパーラップをたたき出します。それで予選を終わらせて、決勝に向けてタイヤを温存したのです。まさに理想的な形でした。
神奈川トヨタのDTECチーム・マスターワンの76号車は、スペースを確保してタイムアタックしたものの、遅いマシンに引っ掛かってタイムロスをしてしまいます。
1分54秒860という予選ベストタイムはその時のものです。坂本選手は冷静にスペースを開けて再びタイムアタックをしますが、タイムアップできませんでした。
結果として予選はA組で8位、15番グリッドからのスタートになりました。開幕戦と同じ8列目なのですが、しかし額田プロジェクトリーダーの顔は意外に明るいものでした。
「ポジションとしては8列目だけど、上位とのタイム差は確実に小さくなっている。レースでいい位置を走ることができれば、ポジションを上げていくことができると思う」という予想をしてくれました。
坂本選手もまた、ある程度の達成感はあるようでした。
「いろいろとセットアップを試してみて、クルマは良くなっているし、速くなっていると思います。あとはレースで結果を出したいですね」
明日の決勝レース、期待してみたいと思います。
(岡村神弥)