ホンダ・フィットは2001年に発売開始した革新的なスモールカーといえるでしょう。ガソリンタンクをフロントシート下に押し込んだセンタータンクレイアウトを採用したことで、スペースユーティリティを一新しました。
初代は爆発的なヒットを記録、長らくトヨタが独占してきた車種別年間1位の座を獲得しました。2代目はヨーロッパやアメリカにも輸出され、その巧妙なパッケージが高い評価を受けています。
そんなフィットが9月にフルモデルチェンジし、3代目へとバトンタッチする予定です。今回は、そのプロトタイプに北海道・鷹栖のテストコースで試乗することができたので、レポートしてみたいと思います。
ちなみにプロトタイプといっても、ほとんどそのまま市販されるハズです。発売前2カ月で大幅な変更をすることは、現実的には不可能なのです。
新型フィットは、基本的に現行モデルと同じ構成になっています。
スタンダードな1.3リッター、上級モデルのハイブリッド、ダウンサイジングするユーザー向けの1.5リッター、そしてスポーツモデルのRSという4タイプです。この4つのキャラクターがあって、その中にいくつかグレードが与えられるのです。
大きく変わったのは、まず見た目です。シャープなラインが入ってスポーティさを強調しています。まるでメルセデスのAMGのようなエアロパーツは、なんと全車共通! 新型フィットは、強烈にスポーティさをアピールしているのです。
カジュアルなテイストのインテリアが、フィットのテイストでしたが、新型ではブラックをベースカラーに、高級感を高める方向へとシフトしています。これは上級車からダウンサイジングする人や、RSを楽しみたい人には、マッチしていると思います。
ボディは根本的に設計を見直されていて、使いやすいユーティリティはそのままに、ボディ剛性アップやスペース拡大を図っています。エンジンやトランスミッションは、全面的に一新されます。1.3リッターはアトキンソン化され、燃費が向上しているようです。新設計のCVTは滑り感も小さく、フィーリングも向上していました。
(岡村神弥)