いまやマセラティの顔といえる新生クワトロポルテは、2004年に5代目として登場し、今年1月のデトロイトモーターショーで6代目が登場。最新型の「クアトロポルテGT S」は1690万円でリリースされています。
今回発表されたのは、3.0LのV6ツインターボを搭載した「クアトロポルテS」と同ブランド史上初となる4WDの「クアトロポルテS Q4」。
両モデルに搭載されるエンジンは、「マセラティ・パワートレーン」が新設計し、マラネロにあるフェラーリの工場で生産されます。すでにV8ツインターボエンジンで実績を積み重ねた可変バルブタイミング機構、バルブ駆動システム、直噴といった技術を投入し、最高出力は410ps/5500rpm、1750〜5000rpmという幅広い回転域で最大トルクを発揮。リッターあたりのトルクは183Nmで、V8を上回るなど、申し分のないパワー&トルクを誇ります。
0-100km/h加速は「S」が5.1秒で最高速は285km/h、4WDの「S Q4」は同4.9秒、最高速は283km/hに到達。0-100km/hは駆動配分の最適化が図りやすい4WDが上回っています。
アルファ・ロメオと同じ「4WD=Q4」が与えられた「クアトロポルテS Q4」の4WDは、ZF社と共同開発した8速ATの後方に設けられた電子制御式マルチプレートの湿式クラッチを採用。通常走行時は前輪がフリーになり、トラクションが必要になると前輪にも駆動配分され、0.15秒で状況に応じたトルク配分が可能。
場合によっては100%を前輪に伝達できるだけでなく、50:50のトルク配分にも対応。スーパースポーツサルーンでありながら全天候型のグランドツーリング性能を発揮します。
軽量化も図られており、シャーシは高剛性のスチール製セイフティーセルを採用し、「S」はV8ツインターボモデルよりも40kg軽い1860kg、AWDの「S Q4」も1920kgに抑えられています。
縦型バーにトライデントをあしらった伝統のフロントグリルやロングノーズといったマセラティらしいデザインエッセンスを取り込みつつ、優雅な曲線によるエレガントなエクステリアは、力強さだけではない雰囲気が漂います。
ボディサイズは全長5270×全幅1950×全高1470mm。価格は「クアトロポルテS」が1195万円、4WDの「クアトロポルテS Q4」が1295万円。デリバリー開始は9月下旬頃からです。
■マセラティ
http://www.maserati.co.jp/
(塚田勝弘)