政府広報室のまとめによると、交通安全意識の浸透やクルマの安全性能向上等により、交通事故に伴う死者数は年々減少傾向にある一方で、65歳以上の高齢者死亡事故の割合が高くなっているようです。
昨年交通事故で亡くなった約4,400人のうち、65歳以上が約半数に達しており、高齢者自身が加害者となるケースも増えているとか。
時間的には夜間の死亡事故が全体の3分の2(66%)を占めており、日中事故の倍近い発生率となっています。
また、高齢者事故の約半数に当たる49%が歩行中の事故で、次いで多いのが運転中(自動車 26.1%、原付・自動二輪車 16.1%、自転車 8.9%)の事故。
こうした事故の背景には高齢者特有の事情、つまり体力の衰えや判断力の低下などが介在していると言います。
【歩行時の事故】
横断歩道を渡る際、老化に伴う判断能力の低下により、左右確認が不足して事故に遭うケースや、横断時の歩行速度が本人予想よりも遅い為に横断中に信号が変わってしまって事故に巻き込まれるケースなど。
また、カーナビの普及で生活道路を抜け道として利用する車が増えており、歩行時の高齢者事故の約半数が自宅から半径500m以内の身近な場所で発生。慣れている道とは言え、状況が変化しており、視界が悪い夜間はさらに危険に。
【運転時の事故】
アクセルとブレーキの踏み間違い(運転操作不適)や一時不停止、安全不確認等が多く、最近では高速道路の逆走による事故も頻発しています。
運転歴の長いベテランドライバーでありながらも老化に伴う判断能力低下により、目の前の事象に捉われ易くなり、肝心な重要情報を見落とす傾向。
以上より高齢者自身が歩行時や運転時に注意すべきポイントを挙げると、
●交通ルールを厳守(信号・標識を守る、左右確認の徹底)
●自身の運動能力を正しく把握した上で余裕を持って行動
●夜間歩行時は明るい色の服装や「反射材」を装着
70歳以上(免許更新時に高齢者講習受講が義務付け)になる前に交通安全講習会や実技研修へ参画したり、運転適正検査で自身の運転能力を把握するのも有効な手段。
運転に自信が無くなった場合は思い切って免許を自主返納する手も。
逆に高齢者の廻りの人々が注意すべきポイントは
●高齢者の近傍を通過する場合は減速 or 一時停止
●夜間ヘッドライト照射範囲外に高齢者がいないか注意
●高齢運転者マーク装着車を見かけたら思いやり運転
以上、高齢者が絡む交通事故未然防止に向けた実践事項のご紹介でした。
■政府広報室 Webサイト
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