「マーチNISMO」も「SUPER GT」仕込みの本格派スポーツモデル!

ニスモのカタログモデル化、第三弾はフェアレディZと同時発表されたマーチです。

「高性能プレミアムスポーツバージョン」を掲げた戦略は、メルセデスの「AMG」やBMWの「M」だけでなく、トヨタの「G’s」ともイメージが重なりますが、ニスモのそれは、パワーアップや足まわりのチューニング、「フェアレディZ NISMO」や「マーチNISMO S」の場合は念入りなボディ補強にも及んでいますから、より本格的なスポーツバージョンという印象を受けます。

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同日マイナーチェンジを受けたマーチは、日産のコンパクトカーを代表するモデルで、愛らしいルックスで女性や年配ユーザーをメインターゲットに据えている印象があります。しかし、先代にはオーテックジャパンが手がけた「12SR」というマニア垂涎? のかなり本格的なスポーツバージョンがありましたし、「マーチカップ」は2009年に終了してしまいましたが、いまも「マーチレース」としてJAF公認ファンメークレースが開催されています。

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前置きが長くなりましたが、「マーチNISMO」の登場は、「12SR」に乗っていた人も振り向かせるはずで、従来からのモータースポーツファン、スポーツカー好きに向けた177万300円の「NISMO S」とより幅広い層に訴求するエントリーの154万350円の「NISMO」という2グレードが設定されています。

両グレードともにモータースポーツで培われたエアロダイナミクスデザインと赤いアクセントが効いた専用エクステリアが印象的。

「SUPER GT」に参戦するNISSAN GT-Rにも採用しているNISMOならではのエアロダイナミクステクノロジーを採用することで、ゼロリフトを実現。タイヤの接地力向上によって走行安定性を向上しているという、本格的な内容になっています。

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具体的にはフロントスポイラーのセンター部の先端を持ち上げた形状にし、ダウンフォースを発生させるという、単なるドレスアップではなくパーツとして機能しています。また、ドラッグ低減のため、長さと角度を最適化した専用ルーフスポイラーやリヤバンパーも目を惹きます。

そのほかにもフロントグリルやエンブレム、フェンダーモール、サイドシルプロテクター、レッド電動格納式ドアミラーなどの専用装備を搭載。

インテリアでは、赤いセンターマークが配された本革・アルカンターラ巻のステアリング、センタークラスターのエンブレムが用意されます。

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足まわりはスプリング、ショックアブソーバーともに専用となるサスペンションで、タイヤは205/45R16サイズのブリヂストン「ポテンザRE-11」を装着。パワステのアシスト量も専用セッティングされています。

さらに「NISMO S」には、エクステリアのエンブレム、バケットスポーツシート、コンビメーター、シフトノブ(シフトブーツ)、ピアノ調フィニッシャー、ペダルなどが専用装備でインテリアはかなりスポーティな雰囲気が漂います。

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さらに、専用コンピュータやエキゾーストシステムなどによる「NISMO S」専用チューニングにより、37ps/50Nmのパワー&トルクアップが施されており、116ps/156Nmを発揮する専用HR15DEエンジンとしているのにも注目。

車体剛性も強化されており、フロントサスペンションメンバーステー、トンネルステー、リヤサスペンションステー、テールクロスバーを専用装備しています。

ジューク、フェアレディZ、マーチと立て続けに用意されたニスモの「高性能プレミアムスポーツバージョン」。SUPER GTというモータースポーツの場からフィードバックされたカタログ車が増えることは、日産ファンを呼び戻し、増やすきっかけにもなるかもしれません。

■日産マーチNISMO
http://www.nissan.co.jp/MARCH/nismo.html

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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