以前にお伝えしたとおり、排出物が水のみでCO2やNOx、SOxなどの汚染物質を排出しない「FCV」(燃料電池車)は課題を一つ一つクリアして2015年の発売を皮切りに2020年の本格普及を目指して確実に動き出しています。
また、安倍政権の経済成長戦略にFCV用インフラ整備が組み込まれ、経済産業省が水素ステーションの保安基準整備を1年前倒しして2013年度末にも完了する方針を固めており、 2014年度に高圧ガス保安法に基づく省令「保安規則」をまとめる予定。
そうした中、日経新聞が23日、日本や米国、欧州連合(EU)など33カ国・地域がFCVの安全性の国際基準に日本案を採用することで今週にも国連部会で各国が合意する見込みと伝えています。
日本案が国際基準となった場合、輸出先の国・地域に合わせてシステムを変える必要が無くなり、日本車メーカーは量産体制を確立し易くなります。
国土交通省も認証時の公道走行試験にかかる期間を2週間短縮してFCVの普及を後押しする予定とか。
今回、国連が示したFCVの安全基準は最終案の大部分に於いて日本の提案が盛り込まれているようで、6月24日~28日にジュネーブで開かれる国連の作業部会で中国やインドを含む各国が正式に合意する予定と言います。
ちなみに日本の安全基準案は以下がポイントになっています。
・燃料電池スタックから排出する水の水素濃度上限を4%に規制,
上限値に達すると水素の注入を遮断・水素貯蔵高圧タンクは水素の圧力変動を2万回以上繰り返しても
変形しない耐久性を確保
FCVはEVよりも燃料充填が素早く、航続距離もガソリン車並であることから「究極のエコカー」として期待が高く、インフラ整備についても水素供給ステーションの拡充に向けて既存石油・ガス会社や自動車各社など民間で組織するHySUT(水素供給・利用技術研究組合)を軸に全国展開が始まっています。
2015年までに4大都市圏を中心に100ヵ所、2025年時点で1000箇所、2030年時点で全国5000箇所への水素供給ステーション拡大を予定。
2015年に入ると自動車各社が一斉にFCVを500万円前後で市販を開始する予定で、トヨタは同年に米国でも販売を予定している模様。
日本独自のEV急速充電方式「CHAdeMO」では欧米が日本方式を採択せず、苦い思いをしましたが、究極のエコカー「FCV」の国際安全基準に日本案が採択されれば日本車メーカーもFCV開発にいっそう弾みが付くことになりそうです。
■国土交通省
自動車安全・環境基準の国際標準化に係る現状と方向性
http://www.mlit.go.jp/common/000129551.pdf
■HySUT(水素供給・利用技術研究組合)Webサイト
http://hysut.or.jp
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