三菱&日産のコラボから誕生した三菱「eKワゴン/ekカスタム」2つの特徴は、クラストップ燃費と3本のサイドライン!

今や年間200万台規模となった軽自動車市場では、スズキとダイハツの2強にホンダがNシリーズで食い込んで、三つ巴となっています。そんな中で新型三菱eKワゴンは、三菱と日産との合弁会社NMKV(日産・三菱・軽・ビークル)による共同プロジェクトから生まれました。更に三菱では新たにekカスタムを誕生させるとともに、日産ブランドでも新型デイズを開発。両社の連合軍は、スズキワゴンRやダイハツムーブが君臨する主戦場のトールワゴン市場に、真っ向勝負を挑んで来たのです。

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■三菱・日産連合軍のシナジー効果で、トールワゴン市場に挑め!

開発責任者の秋田PX(プロダクトエグゼクティブ)は「三菱は魅力的な軽自動車を開発するには、たくさん売らねばならない。日産はたくさん売るために、商品開発に関わって商品力を高めたい。その両社の需給と開発の思惑がズバリ一致した。」と語っています。そこで三菱と日産は、折半出資による合弁会社NMKVを設立。商品企画・エンジニア・購買等の企画&管理を担当すると共に、実際の設計・開発・生産は三菱が請け負う体制を構築しました。そしてシナジー効果を引き出して、軽の主戦場であるトールワゴン市場参入を目指したのです。

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■新開発プラットフォームとエンジン大変更で、クラストップの燃費を達成!

新型eKワゴンは、実に20年振りにプラットフォームを一新。ホイールベースを延伸して広さを拡大、また高効率設計と高張力鋼板大幅増(なんと7倍増の56%)で軽量化を実現しました。一方エンジンは、iと同じ形式ながら中身は別物。燃費対策では圧縮比を12に高めるとともに、水冷EGR等の採用によりフリクションを徹底的に低減。またスズキのような電力回生システムはありませんが、微速走行中にエンジンを止める等の基礎技術を積み上げて、遂にクラストップ燃費29.2Km/lを達成しました!

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■「トリプルアローズライン」が、薄いボディサイドに彫りの深い存在感を演出!

NMKVの商品コンセプトは「ジャスト・ユア・パートナー」、デザインは三菱と日産のコンペで行われ、三菱案が採用されました。目玉は3本のサイドラインで、ヘッドライトからフロントドアへ、前輪からリアランプへ、そしてドア下端に伸びる「トリプルアローズライン」が、薄いはずのボディサイドで存在感を演出することに成功しました。また軽定番の表裏仕様も用意。表が「ekワゴン」なら、裏は「ekカスタム」と車名まで新調。特にちょい悪の「ekカスタム」は、「トリプルアローズライン」がバッチリ決まっています!

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トヨタとスバルの提携から、スポーツカーの86&BRZが生まれたように、今度は三菱と日産が、お互いの持ち味を発揮して軽自動車を開発しました。これらに共通するのは「両社の対等な提携」です。お互いの緊張関係とシナジー効果から「新たな商品価値」が生み出されているのですね。三菱&日産連合は、シェア20%の目標を掲げて攻め込んで来ましたが、実車を見れば、きっとその「勢い」を感じることが出来ると思います。

■三菱ekワゴン
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/ek_wagon/special/new_ek_wagon/

■三菱ekカスタム
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/ek_custom/special/new_ek_custom/

(拓波幸としひろ)

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