エスティマ・ハイブリッドが子供の未来をつなぐ「ソーシャル知育」とは?

子供たちは社会の宝です。私なんかは自分の将来の安定した老後のためにも、ぜひ立派な子供たちが増えて欲しいとヨコシマにも願っております。

そんな私の他人任せな発想とは裏腹に、トヨタエスティマ・ハイブリッドでは、子供たちをつなぐプロジェクトを展開しています。

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「CREATE THE FUTURE PROJECT 2013」と呼ばれるそのプロジェクトでは、子供たちから物語、絵、セリフ、アイデアなどを集め、映画「ドリームリレー・ムービー(仮称)」を作り上げようとしています。

具体的には、
●CREATE THE FUTURE PROJECT 2013サイト(http://createthefuture.jp)で 全国の子どもたちから、キャラクターの絵やセリフのアイデアを募集。
●全国 4 か所で、小学校 3~6 年生を対象にした物語づくりワークショップを開催。グループワークで アイデアを出し合い、プロジェクトサイトに投稿された絵を一つの物語にしていく。
●出来上がった物語を田中裕介監督をはじめとする映像チームにより映像化。
●その全 4 回のワークショップで生まれた映像をさらに一つにつなげた映画「ドリームリレー・ムービー(仮称)」を作製する。
という一連の流れだそうです。

先日、そのワークショップの第1回目が東京・品川にて開催されたのでお邪魔してみました。

子供たちは物語を自由に作るんですが、登場人物の例として、いくつかのキャラ設定があります。

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少人数のグループに分かれ、それぞれがひとつの短いストーリーと絵を作っていきます。

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それから、その絵を映し出しながら、ストーリーを発表します。

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その発想たるやすごいものがありました。大人じゃあ、少なくとも自分には、できない設定、キャラ、ストーリーです。

中でも印象に残ったのは、「寿司車」。

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シャリのボディにマグロのルーフが載っかっていて、車内では寿司が作られているとのこと。登場人物の騎士は寿司を切る役目だとか。そういえば、エスティマが一貫のにぎりに見えてきました。

ストーリーは子供たちの手から田中裕介監督に手渡され、つながっていきます。

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監督はこのストーリーをベースに映像を作製し、6月下旬に第1話ムービーを完成、公開。

これを全国の4カ所分、1〜4話を集めてつなげたムービーは10月下旬に公開予定。そして2014年2月のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映の予定だそうです。

最後に登場人物の実写版?「謎の運転手」も交えて記念写真。

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こういった、子供たちへの教育活動を「ソーシャル知育」と呼び、Webとワークショップをつなげ、これまでにないモノづくりを体験できる、新たな学びの取り組みなのだそうです。

確かに、Webは便利で簡単に外部の情報とつながることができますが、それだけでは人とつながったとは言えません。Webでつながりながらリアルにも人と接してつながっていく。ネット社会の不安を軽減する、これからの世の中に必要なことだと思えます。

CREATE THE FUTURE PROJECT 2013エスティマ_37エスティマの車両開発者でもあり、マーケティングの立場からもこのプロジェクトのリーダーである、トヨタの片岡史憲さんによると、「エスティマは先進的なクルマとしてデビューし、その後もミニバン初のハイブリッドが登場したり、常に時代の先端のイメージをつないできました。また、震災の時には電源供給車として活躍したり、金環日食の際にはそれを観察できない地域である北海道や沖縄の子供のために、生中継車とするプロジェクトも行いました。そうした活動を通じて、エスティマって先端のクルマなんだなというイメージがつながっていけばいいな、と思って続けています」とのこと。

片岡さんはエスティマを作るだけでなく、そのブランディングも同時に行っているのです。今の時代、いいクルマを作るだけではなく、それが社会に受け入れられていく過程も担当していかなければならない時代なのですね。

 インターネットが情報に簡単につながるための道具だとすれば、クルマは自由に簡単に人や外部とつながるための道具として生まれました。そして、その存在が当たり前になる以前、クルマは多くの人々の憧れの手段、道具だったはずです。

エスティマ・ハイブリッドを用いて、なぜこのような一見クルマと関係ない、クルマの販売促進とは離れているような活動をしているのかがわかった気がしました。

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エスティマを核にしながらも脇役に徹し、エスティマが子供たちをつないでいく。このプロジェクトが子供たちのステキな未来につながっていくことを期待したいと思います。

取材後にはエスティマのことを、「エスティマ先生」と呼びたくなっていました。

(小林和久)

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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