クルマを維持していく上で悩みの種が修理費用。最近のクルマは故障をする事も少なくなりましたが、それでも絶対に故障が無いとは言い切れません。
ちょっとした故障でも保証が切れている場合や車両保険に入っていない場合、高額な修理費用がかかることがあります。今回はそんなクルマの修理費の中から高額な物をご紹介します。
■パワーウィンドウ修理 4万6500円
いまや軽自動車からトラックまで、ほとんどクルマが標準装備となるパワーウィンドウ。手動式のウィンドウレギュレーターに比べ、運転席から後席のウィンドゥの開閉ができたり、ワンタッチで開閉できたりと便利で一度使うとやめられない装備ですが、モーターを使い可動部分の多い部分でもあるため経年劣化などで故障するケースもあります。
スイッチ部分の接触不良などであればスイッチパネルの交換のみで比較的安く上がりますが、パワーウィンドウ本体の故障となると費用も高額になりがちです。
事例ではモーター1万4000円、ウィンドウレギュレーター4500円、パワーアンプ1万4000円、作業工賃1万4000円の計4万6500円となっており、1か所でこれだけの金額が掛かります。一度に複数の場所が壊れるケースは稀ですが、運転席を直して半年後に後席が故障するというケースも意外とあるようです。
■サンルーフ修理 8万円
手軽にオープンエアを楽しめるのがサンルーフ。一般的に換気のためのチルト機構と全開にすることのできるスライド機構を備えるものが多く存在します。
故障事例ではチルトアップ時にチルト機構のアーム折損により、モーターに負荷がかかり焼きついてしまった場合の修理費用です。このケースでは幸い、ガラス部分やパッキン部分、スライドレールなどは無事だったようで、費用の内訳はモーター3万円、ドライブユニット1万円、作業工賃4万円となっています。
サンルーフの修理と言えば雨漏りなどのケースが多いようですがパッキン交換などで済んでしまう場合は比較的安上がりに済みますが、可動部分の故障となると一気に価格が跳ね上がります。
■エアコン修理 21万円
80年代まではエアコンのないクルマも数多く存在していましたが最近では地球温暖化に伴い夏場の猛暑には欠かせない存在となっているエアコン。梅雨の時期や冬場でもウィンドウのくもりを取るのに大活躍します。
そんなエアコンがもし故障したら?エバポレーターアッセンブリ―・コンデンサー・コンプレッサー・高圧ホース・低圧ホース・レシーバー・ショートパーツの部品代に加え作業工賃を含めて21万円という事例が存在します。年式の古いクルマではエアコンガスだけでなくコンプレッサーオイルが切れることでエアコンコンプレッサーの焼き付きなどで故障するケースもあるようです。
■ATミッション交換 73万円
最近のクルマのほとんどがAT車を占めていますが、マニュアルに比べ複雑な構造となるATは故障した際にミッションごと交換となってしまうケースも多く、修理費用も高額になります。
事例はATのクラッチ滑りによるミッション交換で、パーツは全て新品を使用し交換工賃を含めた金額です。ATなどの大きな部品は、部品代そのものも高額となるために少しでも安く上げるには中古パーツやリビルト品の使用が一般的となっています。交換工賃に関してもディーラーより街の修理工場などの方が安く上がるケースも多いようです。
■エンジン乗せ換え 90万円
サーキット走行などでエンジンをブローさせてしまった場合、状況にもよりますが最悪エンジンの載せ替えとなるケースも多く見受けられます。
事例はホンダ S2000のF20Cエンジンを新品で載せ替えた場合の金額です。修理内容はF20新品エンジン、バッフルオイルパン、エンジンオイル、オイルエレメント、工賃の合計金額でチューニングショップによる作業価格です。トランスミッション同様、部品代が高額になるエンジンもリビルト品や中古エンジンへの載せ替えが一般的となっています。
驚くべきクルマの修理費用ですが、新車で購入した場合は3年間のメーカー保証がつく場合がほとんどでユーザーの過失がない場合は全て無料で修理されます。またディーラーで定期点検を受け、車検整備も行ったクルマに対して2回目や3回目の車検まで保証を延長できるプランもあるので、新車で購入した人は是非利用する事をおススメします。
また中古車の場合でも極力保証の長いクルマを選ぶと良いでしょう。万が一保証期間終了後に故障した場合は中古品やリビルト品を上手に使い、部品代を抑えて安く上げることも可能です。また最近ではネットオークション等に部品取り用のクルマや中古パーツが単体で出品されている事も多いので、腕に自信のある方はDIYに挑戦して費用を抑えることも可能です。なかにはパワーウィンドウの故障の際に同色で同型車のドアごとオークションで交換してしまうひとや、知識のある友人をたくさん集めて自宅でエンジンを乗せ換えてしまう強者までいるそうです。
さすがにエンジンやミッションの載せ替えともなると簡単にはいきませんが、ヘッドランプの交換などASSYでボルトオン交換できるものは中古部品などを使いDIYにチャレンジしてみるのも安く上げる手段のひとつと言えそうです。
故障しがちなモーターなどを使う可動部分は日常の使い方一つで寿命を延ばすことも可能な部品も多くあるので愛車を労わりながら大切に乗ることも修理費用を抑える一つの手段と言えそうですね。
(井元 貴幸)