法の網の目をかいくぐることに長けている中国の庶民ですが、いま、交通違反の新基準に対して騒動が起こっています。
ことの起こりは、横行している身代り出頭を防ぐために「交通違反は三度まで」と公安部が発表したこと。
なぜ身代り出頭が多いかというと、中国では、駐車禁止以外を街中で取り締ることが少なく、スピード違反や進行区分違反はほとんどが監視カメラの撮影によるものだから。公安側は、顔がはっきり映っていなくても、誰でもいいから罰金を払ってくれればいいという感じなのです。(日本の駐禁と同じ!)
これに加えて、今年の1月1日から新道路交通法が施行され、「信号無視は6点の減点」となりました。日本と同じく15点の減点で免停なので、カネで解決しようとする人が増えるのも無理はありません。となれば、身代り出頭屋にとってはさらにおいしい状況。ますます商売繁盛です。
そこで、このたび公安部は「『1年以内に他人名義のクルマ3台で違反した人』と『1年以内に3人以上の他人名義で違反したクルマ』をブラックリストに入れ、違反の処理を停止し、その他の嫌疑も調査する」と発表したわけです。
これで一件落着かと思いきや、今度は、「だったら、同じ免許証で違反をくらうのは3台まで?」「罰金を払うのは1台につき3人まで?」といった誤解が広まります。茶化して言っている人もいるはずですが、真面目に言っている人も多そうです。
そこで公安部は改めて「そういうことではない」と、身代り出頭を防ぐのが目的であるとの声明を出し、ようやく収まりそうな気配。広大な国を治めるのも大変ですね。
<資料出典:捜狐汽車 auto.sofu.com 2013年5月8日>