フォルクスワーゲンが、2013年5月8~11日に開催された”GTIミーティング”において、サーキット指向のコンセプトカー『デザイン ビジョン GTI』を世界初公開しました。
最新の7代目ゴルフGTIをベースにレーシングをイメージしたデザインスタディ・コンセプトカーということですが、前後フェンダーを広げ、サイドシルでつないだスタイリングは、ゴルフらしさを色濃く残したまま、まったく異なるアグレッシブな姿を提案しています。
フロント235幅、リヤ275幅のタイヤを収めるボディは、いかにもパワフルであることを象徴していますが、実際そのフロントベイにつまれるのはスタンダードなゴルフGTIの倍以上というハイパー過給エンジンなのです。
最高出力370kW(503馬力)/6500rpm、最大トルク560Nm/4000-6000rpmとアナウンスされているエンジンはV6 TSI。3.0リッター直噴ツインターボに、しっかりと触媒を備えることで環境性能も考慮したハイパフォーマンスユニットとなっているようです。
駆動方式は、フォルクスワーゲンのコア・テクノロジーであるDSGを介したAWD。0-100km/h加速は3.9秒、最高速は300km/hに達するといいます。
AWDながら、タイヤサイズがフロント235/35-20(8.5J x 20 ET32)、リヤ275/30-20(9.5J x 20 ET25)となっているので、どのような駆動配分にコントロールしているのかも気になるところかもしれません。
内外装ともに、ゴルフであり、GTIであることを認識させながら、レーシングカーとしてのキャラクターもしっかりと主張するというのがテーマということです。
また、スタイリングだけのスタディではなく、この「デザイン ビジョン GTI」は、フォルクスワーゲンが展開しているモジュール設計MQBに則っているというのも見逃せないところ。
気になるスリーサイズは、全長4253mm・全幅1870mm・全高1385mm。量産モデルのゴルフGTIよりもオーバーハングは短く、全幅は広く、全高は低くなっています。
よりアグレッシブなスタイルの可能性を提示することで、量産型であるGTIをアピールすることも狙いというコンセプトカーは、7代目ゴルフ全体の魅力をひきだしているともいえそうです。
(山本晋也)