ひと目でスポーツカーと分かるロングノーズ&ショートデッキのBMW Z4は、いかにもアメリカで受けそうなスタイリング。乗ってみればBMWらしい切れ味鋭いハンドリングを楽しめるのは間違いありませんが、ピュアスポーツというよりもGT的な色合いが濃い走りが印象的です。
今回のマイナーチェンジでは、細部に手を入れることでより繊細に見せるのが狙いらしく、LEDアクセントのアイライン付LEDスモールライトリングを採用した新しいヘッドライトやLEDターンインジケーターを内蔵したクローム仕上げのサイドフィニッシャーを採用することで、ダイナミックなスタイリングをより洗練させています。
インテリアでは、コントロールディスプレイとエアアウトレットまわりにハイグロス・ブラック仕上げを施すことで質感を向上しています。
また、エントリーグレードの「Z4 sDrive20i」の装備を充実させ、オープンエア時の快適性を高めるウインドウディフレクターやオートエアコン、ハンズフリー通話システムなどを標準化。それでいながら価格を据え置くなど、商品力向上を果たしているのは朗報でしょう。
最近のBMWはたとえばX1などもそうですが、デビュー時は内装の質感に不満を抱かせるレベルであっても、マイチェンですぐに手を入れ、いつの間にか上質さを手に入れていることもめずらしくありません。
Z4に新たに用意される「デザインピュアトラクション」も例に漏れず、アルカンターラとレザーを組み合わせたブラックのスポーツシートに、オレンジのステッチとハイライトを採用し、オープンカーらしい色気をまとっています。インパネ下側とアルカンターラ仕上げのドアトリムにもオレンジのコーディネイトを施すなど、スポーティで上質な雰囲気もチャームポイント。
ボディカラーも専用色の「ヴァレンシアオレンジ」を設定するだけでなく、BMW Individualコントラストハードトップカラーとの組み合わせも可能と、ルーフを閉じた状態でも目を引くコーディネイトが楽しめます。価格はZ4 SDrive20iをボトムにZ4 sDrive35isまで499万円〜819万円になっています。
(塚田勝弘)