トヨタ自動車が米国で展開する「SCION (サイオン)」の方向性を再検討しているようです。
「SCION」は米国の若い顧客層を取り込む目的でトヨタが2003年から展開しているブランド。
「Lexus」とは異なり、専売ディーラー網は無く、トヨタ店舗内にブースを併設したり、敷地内に店舗を併設するといったスタイルをとっており、「SCION」ブランドを買った若者がいずれ「TOYOTA」ブランドへ移行する事を目論んだエントリーブランドの位置付けになっています。
ロイターが伝えるところによると、SCIONブランド購入者の平均年齢は37歳で、75%は初めてトヨタ車を購入する人達と言います。
誕生後10年が経過したものの、5車種のラインナップで2012年度に販売した台数は7万3500台レベルに留まっている模様。
トヨタもSCIONが岐路に立っていることを認めているようで、メルセデスベンツが近々米国へ新型Aクラスを3万ドルを切る価格で導入を予定していることを踏まえ、トヨタは米国に新たな「小型高級車市場」が開ける可能性に着目しているようです。
ちなみにFR-S(トヨタ86)はSCIONブランドの中で最上位のモデルですが、従来の低価格帯を基本とするラインナップの中では価格の開きが大きい設定となっています。
FR-S 25255 ドル~
tC 19480 ドル~
xB 17055 ドル~
xD 16500 ドル~
iQ 16020 ドル~
顧客目線からもSCIONブランドが何処を目指しているのかがやや見え難くなりつつある中、北米トヨタのジム・レンツ新社長はSCIONブランドのアイデンティティと目指す方向性をもっと明確にする必要が有ると感じているようです。
その方策として現在ラインナップに無いHVやSUV、4ドアセダンなどの拡充に加えて、「小型高級車」路線も一つの選択肢として考えている模様。
おりしも以前にお伝えしたとおり、ホンダも米国で「Acura」のインセンティブに頼った販売体制を是正すべく、高級車路線に振った新型車の矢継ぎ早の投入によりイメージを刷新、ブランドの立て直しの真っ最中。
「SCION」も若者を対象とした単なるエントリーブランドから「小型高級車」を扱うブランド、つまり「トヨタ」のエントリーブランドとしてでは無く、結果的に「Lexus」のエントリーブランドとしてのポジションを築くことに繋がるのかもしれません。
そんな新生「SCION」ブランド車が近い将来、日本でも販売されることを期待したいものです。
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■Scion Webサイト
http://www.scion.com/
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