1927年にオープンした全長28.3kmに及ぶ「ニュルブルクリンク」と言えばF1ドイツGP、24時間耐久レースなど数々のレース開催や世界の自動車メーカーが新車のテストに使用するサーキットとして有名。
その同コースを運営していたニュルブルクリンクGmbHが2009年のドイツGP開催前に行ったコース改修やサーキット周辺のホテル、アミューズメントパーク等の複合観光施設などの建設費が元で約3.3億ユーロ(当時約314億円)の返済に窮する事態に陥ったというニュースが流れ、当時大きな話題に。
ニュルブルクリンクの株式の90%を所有する独ラインラント・プファルツ州が破産回避の為、金利返済でEU委員会に1300万ユーロ(当時約12.4億円)の緊急融資を申請したものの、合理性が無いとして拒否され、遂に2012年7月19日に同州が破産宣告したのはモータースポーツ通なら記憶に新しいところ。
この倒産劇はそもそも借入金返済の目処も付かないまま無謀な投資をしたことによるものと言います。
建設推進段階での試算では来場者を平均2,000人/日で見積もっていたそうですが、実際には年間10回開催される耐久レースと24時間耐久レース以外でサーキットが賑わうことは無く、休・祭日に1周約3,000円でツーリスト走行が行われる程度。
現地の天候を考えれば平均2,000人/日の見積もりにはかなり無理が有ったようで、年間約1/3を占める冬季(12月初~3月末)の4ヶ月間は凍結と降雪で走行不能。
倒産したニュルブルクリンクGmbHに代わってニュルブルクリンク・オートモーティブGmbHがその後サーキット運営を続けていたようですが、海外メディアによると、今度は2013年3月に正式に売りに出されたと伝えています。
博物館やアミューズメントパークといったニュルブルクリンクの全ての施設を含めた売却価格は約158億円で、買い手については現時点で10件前後までに絞り込まれているとか。
世界的に有名、且つレースだけで無く世界の自動車開発の聖地となっているだけに開設後85年以上の歴史が有るニュルブルクリンクの今後の運命が大いに注目されます。
■ニュルブルクリンク Webサイト
http://www.nuerburgring.de/startseite.html
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