新型ホンダN-ONEが、新たに目指した「軽のプレミアム」とは?

マイカーブーム勃興期にあたる昭和42年(1967年)、「ホンダN360」は360cc規格の軽自動車として登場しました。先行するRRやFRレイアウトのライバル車に対抗して「FF」を採用し、大人気を博したのです。そしておよそ半世紀の時を経て、660cc軽「N-ONE」が誕生しました。平成の現代では、強力な背高・高効率のライバル車に対して、「軽のプレミアム」で真っ向勝負を挑んだのです。

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■特徴:走りも燃費も快適性も、軽の一歩先を行くスモールカー!

新型N-ONEは、N360が現代に生まれ変わったような、レトロとモダンを兼備したデザインで登場しました。メカは全て新開発で、プラットフォームはN-BOX系と共通のセンタータンクを採用。直噴は未採用ながら、新型DOHC4バルブ3気筒のNAとターボが、最新CVTと組み合わされます。燃費はNA27.0km/l、ターボ23.2km/lと優秀。走りでもロングホイールベースによる高速安定性とターボによる厚いトルクが、軽を超えた走行性能を実現。まさに軽の一歩先を行くスモールカーに、仕上がっていると思います。

■使い勝手:いまどきタコメーターが全車標準装備なのは?

「軽のプレミアム」を目指したN-ONEは、軽とは思えない高品質な内装とインパネを備えています。意外だったのは、ほぼ絶滅状態だったタコメーターを全車標準装備にしたこと。エコ運転には、エンジン回転数が重要だと見直されたのでしょう。更に、スマートキーやフルオートエアコンまで全車標準という徹底ぶりもグッド! また室内は充分な空間を備え、大人4人でも余裕綽々。またセンタータンクの恩恵で、リア座面のチップアップや荷室のフルフラットも可能。まさにフィット譲りの空間を、存分に活用しているのです。

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■バイヤーズガイド:「軽のプレミアム」だから、ターボの最上級グレードがイチオシ!

新型N-ONEの価格帯は115万〜165万円。グレードは内外装の違いからナローな「スタンダード」とスポーティで豪華な「プレミアム」に分かれ、それぞれ上級志向のLパッケージが加わり、NAとターボから選べます。エコ運転中心なら、NAのスタンダード「G・Lパッケージ」がディスチャージライトやサイドエアバックが付いてお買い得。またプレミアムを堪能するなら、クルーズコントロールや7速パドルシフトが付くターボの「プレミアム ツアラー・Lパッケージ」がイチオシです! なお4WDはFF仕様の12万円高で選べます。

自分自身、軽自動車に試乗すると、いつも「もう軽で充分だな」と感じます。でも「道具としては充分」だけど、「人生の相棒」と考えると何か物足りないと感じていました。今回ホンダが新型N-ONEで目指した「軽のプレミアム」とは、いわゆる目先の豪華さではなく「人生の相棒にふさわしい総合性能」なのではないかと、あらためて実感した次第です。

■新型ホンダN-ONE
http://www.honda.co.jp/N-ONE/  

(拓波幸としひろ)

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