スカパラ谷中敦が語る、「シトロエンDS5」は『70年代にイメージしていた未来』だ

常識を超える。そんなシトロエンのクルマ作りのこだわりを象徴する存在が「DS」シリーズだ。そして、トップレンジに位置するのが「DS5」である。
今回、DS5に触れたのは東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦さん。ミュージシャンだけでなく俳優としての顔を持ち、独自のダンディズム哲学を持つ彼は果たしてDS5に何を感じただろうか? 

 

 

「ちょっと違うことで、車は楽しくなるよね。」

 シトロエン2

クルマを作るうえでシトロエンのこだわりのひとつが「この世界にないものを作る」こと。たとえばDS5のデザインは、ワゴンのようでありながらもスポーツクーペのように躍動的。見る者に独特のオーラを放つ存在だ。谷中さんの言葉を借りると、常識に縛られることのないDS5のスタイリングは「宇宙船」である。

「シトロエンは昔から宇宙船のイメージだったけど、それは今でも変わらないですね。」
宇宙船が何を意味するのか? そこにあるのは現実よりもオシャレな未来の世界なのだ。
「乗り込むと、そこは『70年代にイメージしていた未来』みたい。すごくいい。その当時イメージしていた未来って現実よりもSF的でオシャレ。なにより夢があるというか独創的だ。」
ミュージシャンや作詞家としての谷中さんは、新しいアイデアを生み出し続けることの苦労とその楽しさを知っている。だからこそ見えてくる、シトロエンに共感できる部分があるのだ。
「こうしてDS5に触れると、シトロエンは独創的なアイデアにあふれていて、それを具現化して、おもしろいクルマを作ろうとしているのが伝わってくる。」

 

 

「ありえない組み合わせが『いつも』を面白くしてくれる。」

 

フロントからサイドスクリーンにつながるクロームのサーベルなど、シトロエンには従来の概念に縛られない発想が盛り込まれている。そしてもちろん、それらに対する谷中さんの興味も尽きない。そのひとつが、天井のコックピットルーフだ。
「天井にあるガラスがいいね。個性的で、ありふれたクルマとは違う風景を見せてくれる。」
5分割された天井のガラスは、視界を広げるだけでなく室内を特別な雰囲気にしてくれる。
「いつもの場所を曲がっているだけなのに、カッコいい気持ちになれるかもしれない。旅している気分になれるだろうし、いつもの道でもドラマチックになれるんじゃないかな。」

 

 

「予想外の組み合わせが革新を生む。」

 

「普通の言葉のようでも、組み合わせ次第で個性的な詩ができる。予想外の組み合わせが、革新を生むんです。それはシトロエンも同じだと思う。」
作詞も手がける谷中さんは、言葉と言葉の組み合わせ方次第で新しい世界が作れることを知っている。同じことを、シトロエンのクルマ作りにも感じたようだ。
「クルマと接している時間の大部分は車内で過ごす。だからDS5がインテリアにとても凝っているのは正しいよね。」

DS5のインテリアには、クラブレザーシートというスペシャルな仕様が用意されている(オプション設定)。表皮は、しなやかさや肌触りのよさを求めて選び抜いた雌牛のレザー。その上で、腕時計のベルトをイメージしたデザインが施されて独創的なデザインとしているのだ。シートはどのクルマにも備わっているものだが、シトロエンにとっては革新のひとつなのである。

「運転席にあるアナログの時計もそう。アナログのほうが時間を感じやすいし、優雅な気持ちになれるから特別な空間にふさわしい。」
さらに、シトロエンのこだわりはクルマを離れていても感じることができる。それは、細分まで作りこまれたキーだ。
「凝っていますよね。そしてカッコいい。こういうのは大事なこと。」
キーに触れた谷中さんからは、まるで独り言をいうようにそんな言葉がでてきた。

 

 

 

「ブレない部分をもっているかが重要。」

 

谷中さんが所属する東京スカパラダイスオーケストラは、デビューからほどなくフランスに招かれてライブをしている。はじめてのフランスは刺激的だったが、そこであることに気がついたという。
「フランスの女の人は手ごわい。きちんと中身のある人間(男)じゃないと受け入れてもらえない雰囲気がしました。どれだけブレていない部分を持っているかで、オトコの価値が決まるように感じましたね。」
そしてそのブレのなさは、シトロエンからも感じるという。
「芯の部分にこだわって、それをずっと持ち続けている。昔のかっこよさ、独創的な存在感を今でも持っていると思います。新しくしていく部分や変えなきゃいけない部分もあるけど、古くても革新的な部分は気持ちの中に持ち続けないといけない。それは本当に難しいことなんだけどね。」

 

 

「こういう楽しみ方もありますよ、という提案が大事。」

 

「誰かのことをイメージしながら作品を作ると、奥深さが出てくるような気がする。その人の気持ちとか背景なんかを想像しながら作品を作ったりします。」
ミュージシャンとして、作詞家として、谷中さんが作品を送り出す先には必ず誰かが見えているという。
作品もパフォーマンスも不特定多数のひとに向けているわけだが、とはいえ受け止めてくれる誰かを想定してクリエイトすることを大切にしているのだ。そしてそれは、シトロエンのクルマ作りにも現れていると彼は感じている。

見る者を魅了する個性的なエクステリア、そして奇抜でありながらも乗員を優しく包み込むインテリア。すべてがDS5の魅力になっている。
「こういう楽しみ方もありますよっていう提案が大事なんじゃないかな。」
作り手がメッセージを持って作品を仕上げ、それを受け止める人にしっかり主張していく。DS5に宿るそんな魂が、シトロエンの特徴であり人を惹きつける根底にあるのだ。それは、谷中敦というオトコのダンディズムにも通じるものといっていいだろう。

 

 

 DS5公式サイト>>> http://ds5.citroen.jp

 

撮影/根田拓也 ヘアメイク/本岡照浩

(工藤貴宏)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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