いまでは純正パーツのみならずチューニングパーツとしてお馴染みのヤマハ「パフォーマンスダンパー」。レクサスではCT200h、RX SPORTに次いで3モデル目の採用ですが、全グレードに搭載されるのはHS250hが初めてになります。
「パフォーマンスダンパー」は、クラウンアスリートVXという300台限定車に初搭載されて以来、トヨタ車だけでなくインプレッサS204やポルシェ・ケイマンなどのスポーツカーだけでなく、カローラフィールダーなどのいわば実用車にも装着されています。
開発当初は「欧州の高速道路を想定した高い平均スピードにおける、安定感のある運動性、危険回避性能を実現すること」だったそうで、スポーツカーへの搭載はうなずけます。ですが、もはやボディ剛性感や乗り心地だけでなく、駆動系ロスの低減やオーディオの音質向上にも効果を発揮しているそうです。
ヤマハの開発者は同社製の「X-REAS(相互連携ショックアブソーバー)」の性能向上により、ボディの性能不足が気になったそうで、タワーバーの代わりに1mm以下のボディ変位に効く減衰要素を与えることで、しっとりした挙動になるはずと発想したとのこと。
クルマのボディは完璧な剛性物ではない以上、ボディは変形してしまいます。そこでパフォーマンスダンパー」は、減衰力を加えることで変形エネルギーを吸収して熱エネルギーとして発散させることで乗り心地の向上や、狙いであった高速走行時の高い運動性と安定性を両立させているのです。
マイナーチェンジを果たした、HS250hはボディ剛性の向上の改良もされていますが、操縦安定性や走行安定性、快適な乗り心地にも「パフォーマンスダンパー」が縁の下の力持ちとして貢献しています。
(塚田勝弘)