ボルボV40の「世界初 歩行者エアバッグ」から見える、安全へのこだわりとは?

新型V40では、歩行者への安全対策も一歩進んでいます。世界初の「歩行者エアバッグ」は、6万円のメーカーオプションですが、ボンネットとフロントウインドウの間に用意されたエアバッグがボンネットを持ち上げるように展開することで歩行者を保護する装備です。 

写真を見ると分かりますが、Aピラーに沿うようにサイドの部分が長い「凹」型になっています。ボンネットに乗り上げられた歩行者が、Aピラーに頭部などをぶつけることで致命傷や大けがをするケースが多いためこうした形状が採用されたとのこと。

歩行者エアバッグは、ウインドウスクリーンの1/3、Aピラーの半分をカバーするそうですから、ボンネットが上がることで、硬いエンジンなどからの衝撃を抑えながら、エアバッグで衝撃を吸収する二重の安全装置といえます。

新しいクラウンハイブリッドにもデンソーが開発したポップアップフード用歩行者衝撃検知センサーが搭載されますが、エアバッグ付きのV40の方が一歩進んでいるといえます。

歩行者認知機能としては、歩行者検知機能付き追突回避・軽減フルオートブレーキシステムの「HUMAN SAFETY」も20万円のオプションである「セーフティ・パッケージ」に用意されています。

身長80cm以上の歩行者を最大10人まで同時に検知し、衝突の危険を認識すると警告音とウインドウスクリーンのヘッドアップディスプレイのライトを点滅させてドライバーに知らせるシステム。衝突が迫っているときには、自動的にブレーキが掛かります(相対速度が35km/h以下の場合に作動)。

インポーターのプレス向けの資料で、日本の交通事故死亡者の分析を提示するのはボルボくらいです。オプションとはいえ、こうした安全装備の他社に先駆けての採用は、かつて3点式シートベルトの特許権を放棄したように、ボルボの安全に対する真摯な姿勢が感じ取れます。 

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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