電気自動車のフリート使用が増えつつあるヨーロッパにおいて、その最大のユーザーが誕生しつつあります。そのユーザーとは郵便サービスなのだそうです。
2011年に3台のメルセデス・ベンツのヴィートE-CELLによる実証実験を始めたデンマーク郵便サービスは、そこでの結果を受けて、電気自動車の採用を増やすことを決断。新たに、50台のヴィートE-CELLが運用に加わることが決定したとダイムラーが発表しました。
ヴィートE-CELLは最大出力60kWの電気モーターを搭載した前輪駆動車。ちなみに最大トルクは280N.mとなっています。気になるバッテリーはリチウムイオンで、床下に収められます。総電力量は36kWhということです。
バンとして重要な積載能力は850kg。最高速度は89km/hに制限され、航続距離は130kmとされています。また充電時間が約5時間(380/400V)と発表されています。
こうした積載能力や航続距離が、実証実験によって十分に実用的と判断したことが、50台の採用につながったのでしょう。運用において排ガスを出さないゼロ・エミッション・ビークル化を、市場からビジネスカーに要求された場合の答えのひとつが、可能な範囲で電気自動車に置換することですが、メルセデス・ベンツの提案はまさしくそうした要求に対するベストアンサーのひとつといえそうです。
(山本晋也 )