「セダンなんて退屈だ、と誰がいった?」と新型アテンザがカタログで挑発してるそのワケは!?

「思わず振り返るカッコ良さ!」そんなフレーズで思い浮かぶのは、ロータリーを搭載した「FD」ことマツダRX-7です。

そして同じマツダから、フルスカイアクティブで登場した3代目新型アテンザも、負けず劣らず「カッコイイ・オーラ」を発散!しかもカタログでは刺激的なキャッチコピーで、クルマ好きを挑発!?しています。その開発には「感性による差別化理論」と「土壇場でのデザイン変更劇」がありました。

■新型アテンザのコンセプトは「理性よりも感性を、機能よりも感動を!」

フルスカイアクティブ第一弾のCX-5で、走りと燃費の高い基本性能を証明したマツダ。第二弾となる新型アテンザの開発責任者・梶山主査は、アテンザならではの価値や世界観の探究から始めました。そこで広島大・大学院に入学し、「商品の価値とは“機能的価値”と“意味的価値”の和である」という差別化理論を体得。そして「機能的価値」は「フルスカイアクティブ技術」で実現し、「意味的価値」はマツダの家訓「人馬一体」に通じる「日常域からの一体感」と定義したのです。

■数値化できない「感性性能」は、開発担当者がドライビング体験で共有!

「日常域からの一体感」という「感性性能」を、定量的に捉えるのは極めて困難です。そこで開発では、各ユニットの開発担当者にどんどん試作車を運転してもらったそうです。そしてドライビングの実体験を通じて、目指すべき「感性性能」を共有したのですね。その結果開発スタンスが、ユニット最適設計の「縦割り開発」から、クルマ全体の最適化に向けて融通しあう「横串し開発」に変化したそうです。デジタル全盛の現代ではアナログ的で効率も悪い手法ですが、これこそが「いいクルマ造りの王道」ですヨ、間違いなく!!

■土壇場でデザイン大変更!ショーモデル「SHINARIの魂動」を注入!

新型アテンザのデザインは、オリジナルで開発されたものの、マツダのデザインテーマ「魂動」に届いていませんでした。一方、フロントからサイドへ3つの造形が大胆に絡み合う「SHINARI」は、「魂動」を象徴するショーモデルとして大ブレーク。そこで経営陣は、新型アテンザへ「SHINARI」デザインを移植することを決めたのです。実際はバクチに近い大変更だったそうですが、見事!新型アテンザのダイナミックな「魂動」スタイルが誕生したのです!

マツダはフォードから離れ、スカイアクティブ技術による独立独歩の道を選びました。厳しい経営環境の中で梶山主査は「いいクルマではもはや満足できない。思わず笑みがこぼれるクルマをつくりたい。」という理念を貫き通して、新型アテンザを完成させたのです。「セダンなんて退屈だ、と誰が言った?」という挑発的なカタログのキャッチコピーが、ドスンとハートに響きました!

■新型マツダアテンザ
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(拓波幸としひろ)