Adobe Creative Suite 2 無料配布騒動はAdobe側のミスか? Adobeが正式コメント発表!

2013年1月8日の未明から早朝にかけてネット上を大いに賑わせたAdobe Creative Suite 2 (以下CS2)無料配布騒動。clicccarでもその様子を報告させていただきました。

期間限定の異変か!? Adobe Creative Suite 2を公式サイトで無料ダウンロード開始!
https://clicccar.com/2013/01/08/209272 

その騒動に終止符を打つAdobeの正式コメントがAdobeの公式サイトで発表になりました。

Adobe® Creative Suite® 2 製品およびAdobe® Acrobat® 7のアクティベーションサーバーに関するお知らせ
http://www.adobe.com/jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/20130108_cs2_downloads.html

また、ダウンロードページにも上記リリースのコメントが明記されるようになっています。

当初の記事を書いておいて何なんですが、お約束事として建前的に言わせていただきますと、
ライセンスのない方の当該サイトからダウンロードしたCS2の使用はお止めください

辛辣な言い方をすれば、今回の騒動、全てはAdobeの対応の遅れが原因と言えるでしょう。

事の発端はリリースにもあるとおり、2012年12月13日、Adobeは技術的な理由によりAdobe® Creative Suite® 2 製品およびAdobe® Acrobat® 7のアクティベーションサーバーを停止。しかしまだ利用者が多数おり、アクティベーションサーバーを停止したことにより再インストールが出来ないなどのトラブルが起ったため、それを解決するために1月8日に問題のダウンロードサイトを作りダウンロードしたものを使わせようとしたのです。

ここでAdobeのミスは3点。アクティベーションサーバーという不正コピーを防ぎ、正規ライセンスを認証するシステムの根幹が停止した場合のトラブルを考えていなかったこと。もし考えていたらサーバーを停止させる前に認証システムを使って対策製品を配布することも可能だったはずです。

そして次のミスは、1月8日にダウンロードサイト開設の際、ダウンロード対象者を判別する機能を設けなかったこと。ダウンロード開始の際に既存ユーザーのシリアルを入力するなど、方法は様々にあるにも関わらずこれらを一切行わなかった。なおかつダウンロード製品に有効なシリアルを公開してしまうなど、一般的な無料ソフトと変わらない状態のものダウンロード可能としてしまったことに問題があります。

そして最大のミスは、ダウンロードサイト開設時点で一切の注意書きを記していなかったこと。

 正式コメントが書かれる前の状態にはシステムの必要構成しかない状態。そしてページタイトルは「CS2ダウンロード」。その上、上のサイト画像の状態は、一度メンテナンスが入りサイトを閉鎖し、復活した時点でのスナップショットです。この状態では悪意の無い普通の人でもダウンロードは正規なものだと思ってしまう。

インストールに関しても、既存ユーザーにディスクを読み込ませるとか、既存シリアルを入力させるなどの対策をとらず、公開されているシリアルを入力すれば出来てしまう。

これらの無策に対して公式のAdobe Forumでも「AdobeがCS2を公開したことは遺憾」というような書き込みを散見できます。

実際、Adobeはリリースでも「ライセンス違反となり得る旨」と弱腰な口調。技術的に万人が使える状態で公開してしまった事実は否めません。

Adobeの肩を持つわけではありませんが、現在の主流OSであるWindows7と8、MacOS 10.6~10.8はサポート外であるがゆえに利用者が少ないだろう、とタカをくくってしまったのではないでしょうか。

しかしながらダウンロードサイトにAdobeの正式コメントが記載されている以上、とりあえず建前的に既存ライセンスの無い方は「法的には使用不可」となってしまいました。

というわけで、Adobeのミスや誤表記などがありますが、お約束事として建前的に言わせていただきますと、
ライセンスのない方の当該サイトからダウンロードしたCS2の使用はお止めください

(北森涼介)

 

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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