新聞報道などによると、12月25日に開催された「新型クラウン発表会」の場で豊田章男社長が『エンジンの排気量を小さくしてターボで馬力を補う「ダウンサイジングHV」で勝負したい』と今後のHV戦略を暗にほのめかしたそうです。
トヨタは2012年4月に久々のスポーツカー「トヨタ86」を発売するなど、クルマ好きの関心を引く「走り」を重視したモデルを投入。豊田社長自ら86でラリーに出場するなど、自らが広告塔となって同社スポーツカーのアピールに余念が有りません。
一方、同社自慢のHVシリーズは「21世紀に間に合いました」のキャッチコピーでデビューした初代プリウスの登場から既に15年が経過しており、最近では欧州でオーリスのHVバージョンを投入するなど、HVシステムによる低燃費化の技術面では一応の節目を迎えています。
そうしたところへ『フォルクスワーゲン 「ジェッタ ハイブリッド」がターボで武装して登場 !』でお伝えしたとおり、VWが2012年11月、米国向けに1.4L TSIエンジン+モーターに7速DSGとリチウムイオンバッテリーの組合せでスポーティな走りを実現したJETTA HVを投入。
一方、ホンダも2012年11月13日、来年7月発売予定の次期FITに新開発1.5L直列4気筒エンジン+高出力モーター内蔵7速DCT+リチウムイオンバッテリーを組み合わせた「SPORT HYBRID i-DCD」システムを搭載して、トヨタ「アクア」を超える世界最高水準の燃費(約36km/L)とスポーティな走りを実現したと発表。
いよいよHV車も「走りの良さ」を競うフェーズに突入する気配が濃厚となって来ました。
冒頭のクラウン発表会での豊田社長の言葉からは新型クラウンHV用エンジンのダウンサイジングを皮切りに、トヨタ車のエンジン小型化と出力補完用としてのターボ装着が急速に進みそうな気配が感じられます。
競合他社車がスポーティな走りを前面に出して来る以上、トヨタもその方向で勝負すると思われ、「走り」が楽しいHVモデルがこれから次々に登場して来る事を期待したいところです。
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